2017年9月13日水曜日

『ダウンビート』は『トランスターン』の弱点の多くを克服している。








ダウンビート

通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの表側表示モンスター1体をリリースして発動できる。
リリースしたモンスターと元々の種族・属性が同じで
元々のレベルが1つ低いモンスター1体をデッキから特殊召喚する。






《エクストリーム・フォース》で登場する「魔法カード」。

類似した効果を持つ『トランスターン』が「レベルが1つ高いモンスター」をリクルートするのに対し、「レベルが1つ低いモンスター」をリクルートする『ダウンビート』。
このカードの登場で、これまで以上に「種族」「属性」が統一されているモンスター同士のシナジー効果が期待できるようになり、テーマの壁を乗り越え、思いもよらぬデッキの構築も可能となって行くかもしれません。

しかし、ただ突飛なものだけでなく、既存のデッキの選択肢の幅も大きく広げる可能性を秘めた優良カードと言えます。


『トランス・ターン』との大きな違い

先にも述べた類似カードの『トランスターン』。
一時は【ユニオンABC】に取り入れられ、各種ユニオンモンスターを『銀河戦士』へ変換する動きが流行の兆しを見せた時期もありました。


しかし、『トランスターン』には大きな問題があり、それが【ユニオンABC】とも密接な関係であった事も相まって、採用率は激減していく事となります。

その問題というのは
『トランスターン』の効果解決時に媒体としたモンスターが墓地に存在しない場合、「レベル」「属性」「種族」の参照が不可能となり、リクルート効果は不発となる。

当時はあまり知られていなかった(?)裁定がこの時期に明るみとなり、元々『D.D.クロウ』『A・O・Jサイクルリーダー』等の手札誘発による墓地干渉を苦としていた当時の【ユニオンABC】にとっては最悪の事態。


媒体となったユニオンモンスターを除外された挙句、召喚権の使用、『トランスターン』の不発。
この様な大打撃を受けるリスクを負ってまで採用するプレイヤーは殆どいませんでした。

この教訓を踏まえたのでしょうか、『ダウンビート』のテキストには『トランスターン』と比較して重要な部分の相違点が見受けられます。
その相違点というのがこちら。

自分フィールドの表側表示モンスター1体をリリースして発動できる。

「墓地に送る」ではなく「リリース」がコストとなりました。
この変更による大きな利点は「Pモンスター」をも変換可能となる点です。

前述した様に『トランスターン』はコストでモンスターを墓地に送る必要があり、墓地に行く代わりに「エクストラデッキ」へ向かう「Pモンスター」はそもそも、発動条件すら満たせない存在でした。
それが解消される。非常に大きな変更です。
『トランスターン』もこの条件であればどれほど良かったことでしょう。

また、コスト部分の変更により、「トークン」を媒体とする事も可能となり、主流となりつつある「リンク」が得意とするトークンを用いる超展開に長けたデッキへの採用も十分視野に入ってくる事となります。

さて、ここまででお気付きの方もいらっしゃる事でしょう。

そう!
コストがリリースとなった事で「レベル」「属性」「種族」の参照が墓地で行われなくなるのです!

※未発売カードのため、テキストからの推測にすぎません。


『トランスターン』の弱点を大きく克服した『ダウンビート』。

テーマの壁を乗り越えて、あらゆるデッキの懸け橋となり得るポテンシャルを秘めています。






使用例
僅かですが、ご紹介。


パッと思い付く限りの『ダウンビート』使用例を挙げてみます。


【インフェルニティ】
『インフェルニティ・デーモン』→『インフェルニティ・ネクロマンサー』


言わずと知れた遊戯界ソリティア部門の幹部。
デッキの核である『インフェルニティ・デーモン』をリリースし、それを蘇生可能な『インフェルニティ・ネクロマンサー』へ変換。
『トランスターン』が使用されていた時期もあった程で、この手のカードとの相性は抜群です。


「アンデット族」
《エクストラパック2017》にて来日した【ヴェンデット】の影響から、このところ人気の高い「アンデット族」。
その種族全体を古くから牽引し「アンデット族」の代表格である、『ゴブリンゾンビ』。
こちらを、巷で高騰中と話題の『ユニゾンビ』へ変換することが可能です。


『ユニゾンビ』は「アンデット族」を扱うデッキに於いて、素早く的確な墓地肥やし能力と、自身が「チューナー」という点を生かし、デッキの安定を図るには十分すぎる活躍っぷりを見せています。
そんなスタートカードへのアクセス手段は多いに越したことはなく、十分採用を検討できるレベルに達していると感じます。
さらに、【ヴェンデット】自身も「闇属性」「アンデット族」。

『ゴブリンゾンビ』のサーチ効果も相まって「アンデット族」との相性は非常に良いですね。


【聖刻竜】
リリースされる事で「通常モンスター」「ドラゴン族」をリクルートする共通効果(一部除く)を備えるモンスター群。


かつては、代名詞のワンショットキルを武器に【甲虫装機】とも互角に渡り合った実績を持ちます。
【聖刻竜】自体の基軸となるもののレベルは「6」「5」であり、一応実戦レベルの「4」も存在する事から、『ダウンビート』の発動機会は十分に期待できます。

『聖刻』モンスターの水増しとしては悪くないのではないでしょうか。


水増しという観点から見れば【剛鬼】への採用も検討出来ます。
元より「リンク」を意識したデザインにより、各モンスターのレベルがばらけているのが特徴の【剛鬼】。
妥協召喚可能なレベル5〜レベル2まで幅も広く、墓地に送られる事でその真価を発揮するテーマである事から、『トランスターン』の採用を見かける事もしばしば。
特段コンボ性が高いとは言い難いですが、堅実に『剛鬼』の水増しとしての役割を担います。


この他にも様々な使用方法があり、無限の可能性を秘めていると言っても過言ではありません。

あらゆるテーマ同士を繋ぐことに期待の掛かる『ダウンビート』。
今から《エクストリーム・フォース》の発売が待ち遠しいです!






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