2017年10月1日から施行される
「新リミットレギュレーション」が遂に判明となりました。
来日するやいなや、環境で暴れ回っている、海外からの新鋭たちへの規制はどうなるのか、既存の国産テーマ達の処遇は…
今回も気になる事が盛り沢山の改訂となりましたが、一先ずは本記事でも、リストに目を通してみましょう。
うーん…言いたいことは山ほどありますが、一先ずは各カードの「規制・緩和」理由について考えてみます。
新禁止カード
『真竜剣皇マスターP』
前回の改訂で「無制限→制限」と厳しい規制を受けた『真竜剣皇マスターP』。今回はさらにその上、遂に禁止カードまで上り詰める事となりました。
リリース当初から猛威を奮い、驚異的な「耐性」「除去能力」全てに於いてハイレベルなパワーカード中のパワーカード。
禁止も納得の性能です。
『ドラゴニックD』
こちらも前回の「無制限→制限」を経て禁止カードの仲間入りです。【真竜】の安定感を支え続けた核ともいえるカードであったものの、これに至っては"純正"【真竜】以上に出張先でのパワーが際立ったカードです。
環境の覇権を握っていた【恐竜】に於いてもそのパワーを遺憾無く発揮した事実を以って、改訂を免れる訳はありませんでした。
新制限カード
『同族感染ウィルス』
遂に解禁!対「種族」最強兵器『同族感染ウィルス』!
かつて【海皇水精鱗】全盛の時代。
「『海皇の竜騎隊』が健在の間に戻ってくる事はないであろう」と囁かれたカードも遂に制限復帰!
※海皇の竜騎隊』は準制限
「召喚権」「手札コスト」と、現在の遊戯王に於いて、それなりにリスクを伴うものの「種族」全体除去は未だ驚異です。
とはいえ、制限では除去としても運用が難しく、何らかの工夫が必要となり、「一筋縄ではいかない」難しいカードとなってしまいました。
この性能でこの評価となってしまうのですから、それだけ近年のカードパワーが高いという事も再認識できます。
なお、当カードの調整版として登場したであろう『同族感電ウィルス』の肩身は一層狭くなることに。不憫です。
『召喚師アレイスター』
様々なデッキと文字通り「融合」を果たし、数多の【召喚獣〇〇】を生み出してきた【召喚獣】の大元にも遂にレギュレーションの魔の手が。制限となり、各種メタへの対応は困難を極めるものの、こちらをサーチする『暴走魔法陣』は健在で、構築不可まで追いやられる程ではありません。
これまでの様な扱い方はできませんが、まだまだ現役としての活躍に期待を寄せます。
『真竜拳士ダイナマイトK』
【真竜】の中でも単体で妨害を成す事が可能な唯一の存在である『真竜拳士ダイナマイトK』。『真竜剣皇マスターP』に続いて『真竜』モンスター規制組第2号となりました。
単体のカードパワーは非常に高く、アドバンテージを稼ぐことに長けた【真竜】屈指のアタッカー。
今回の改訂で長く環境に居座った【真竜】も構築自体が難しいレベルまで追い込まれた格好となります。
今後どういった形で進化していくのか、はたまた忘れ去られていくのか、動向は気になります。
『魂喰いオヴィラプター』
環境を席巻した【恐竜】。そのきっかけとなった《ストラクチャーデッキR》出身の『魂喰いオヴィラプター』。
驚異のサーチ能力、加えて場と墓地の「恐竜」を入れ替える能力まで有し、如何なる「型」の【恐竜】にも搭載可能な恐竜のエンジンとしてデッキを支えてきましたが、ここで一旦小休止です。
制限という事で【恐竜】自体構築は可能なため、今後も見かける事はありそうです。
『ベビケラザウルス』
「恐竜族」サポートの中でも古株となってきた『ベビケラザウルス』ですが、ここへきて遂に「制限リスト」へ名を連ねるまでに躍進!『ベビケラサウルス』は、自身をリクルート可能な点が評価され『魂喰いオヴィラプター』との破壊効果とも相性抜群。
【恐竜】展開力にブーストをかける役割を担ってきました。
『プチラノドン』という調整版の様なモンスターも存在し、【恐竜】にとってはそこまでの痛手とはならないかもしれませんが、環境を取るほどの展開力底上げに貢献した結果と言えます。
『ABC-ドラゴン・バスター』
【ABCユニオン】1強(?)であった時代には『ユニオン格納庫』のみの規制にとどまり『ABC-ドラゴン・バスター』自体は規制を免れてきましたが、ここへきて一気に制限カードへ。「エクストラデッキ」に複数存在する事が利点となる【ABCユニオン】ですからこの規制方針で間違いないでしょう。
成立時のパワーは今尚健在でしたから、このタイミングでの制限リスト入りも妥当と言えます。
『源竜星-ボウテンコウ』
こちらも間接的に【恐竜】の規制…と思いきゃ、【恐竜】は1枚あれば十分な役割を果たす事ができ、その他のデッキに於いても、1枚あればどうとでもなるように思います。ですので、禁止と予想していた方も多いはず。
何故制限なんでしょうか…
『テラ・フォーミング』
昨今の「フィールド魔法」初動化も歯止めが効かなくなってきているところ、遂に制限となった『テラ・フォーミング』。これにより『盆回し』の高騰が容易に予想できます。
個人的には『盆回し』の方を規制して欲しいところなのですが、そうもいかないようです。
ともあれ間接的に「フィールド魔法」の採用総数が最盛期からじわじわ減少の一途をたどっているので、ここらでそろそろ「フィールド魔法」を軸とするテーマデザインからは脱して欲しいものです。
『グリモの魔導書』
【魔導】の核も遂に制限となります。『魔導書の神判』を擁した時代の改訂を乗り越えてきただけに惜しむ声も多数。
原因はやはり『ルドラの魔導書』によるお手軽なドローブーストを可能とする出張セットの一部としての採用が目立った点でしょうか。
こういった出張ギミックはある程度残しておいて欲しいというのが本音ですが、やはり手軽なドローには厳しいですね。
『真竜の継承』
こちらも長らく【真竜】を支えたパワーカードの1枚。小型『超再生能力』として【真竜】のリソース回復に一役買ってきました。
対【真竜】のメタカードとしても有用で、制限に値するかはさておき、環境に大きな影響を与えたカードの1枚である事は確かです。
『真竜皇の復活』
『真竜拳士ダイナマイトK』からアクセス可能で、除去能力のみならず、蘇生効果まで有した【真竜】専用とはいえ、蘇生罠の代表格『リビングデッドの呼び声』を凌駕する蘇生罠カード。厄介な『真竜拳士ダイナマイトK』を処理しようと試みたとしても、その過程で『真竜皇の復活』を貼られ、除去したはずの『真竜』モンスターが復活。
それだけで『真竜剣皇マスターP』の召喚条件を満たしてしまう破格のコンボカードです。
制限には正直驚きましたが、冷静になって考えると妥当に思えてきます。
『トリックスター・リンカーネイション』
【トリックスター】に於いては、相手のサーチカードへのメタ兼バーンダメージのトリガーとしての運用。加えて、発動後は墓地からトリックスターモンスターの蘇生までこなすスーパーサブ…
ところが、その実『ドロール&ロックバード』を用いた全ハンデスなる凶悪コンボを目論むスーパーカード。
今年の選考会でも結果を残しており、規制の予感はありましたが…
新準制限カード
『召喚僧サモンプリースト』
「制限→準制限→制限→準制限」と再び緩和された『召喚僧サモンプリースト』。『エフェクト・ヴェーラー』に加え『灰流うらら』の存在もある現在、「魔法カード」をコストとする行為は重く捉えられがちです。
しかし、【インフェルニティ】【HERO】等。
まだまだ活躍の見込めるデッキが多数存在する事から、今回も環境デッキのリストに名を連ねるやもしれません。
今尚そのレベル4モンスターへのアプローチ能力には注目が集まります。
『WW-アイス・ベル』
容易に『クリスタルウィング・シンクロドラゴン』を擁立させる事が可能で、あらゆるデッキの初動補助として出張してきた【WW】ギミックの根幹。一先ずは準制限にとどまり、あらゆるデッキへの採用が見込めます。
『増殖するG』の規制も追い風となる事でしょう。
『増殖するG』
今改訂中ダントツで疑問を持つ規制となります。【SPYRAL】来日直後とあって、それ自体に規制を敷く事は難しいでしょうからそこがノータッチである事はとやかく言いませんが、その【SPYRAL】へ対抗するための1手であるはずの貴重な手札誘発を削る事に「疑問を持つな」と言うのは不可能です。
準制限にとどまったことから、まだまだメタとしての運用は十分にこなす事が期待できますが、総数の削減は僅かながらにも勝率に影響を及ぼす事が予想され、余り納得のいくものとは言い難いです。
『貪欲な壺』
その性質上、墓地を肥やし易い「リンク」全体の間接的な強化となる緩和です。高速環境下に於いては、即座に発動条件が充たせるものの、これ自体が枷となり、展開がままならない自体も引き起こしかねない、運用の難しいカードではあるものの、発動までこぎつける事ができれば、そのパワーは今尚一線級。
希少なデッキリソースの回復能力を含め、まだまだ現役バリバリなカードです。
『未来融合-フューチャー・フュージョン』
エラッタにより、弱体化はしたものの、万が一効果が通ればその能力は驚異です。融合素材の範囲ならば任意のカードをデッキから墓地へ落とす事ができる。いわば『ブリリアント・フュージョン』の上位互換的存在。
とはいえ、エラッタにより、墓地肥やしの速度に大幅なタイムラグが生じる事となり、現在実戦レベルかと問われると何とも言えない立ち位置にあります。
準制限カードとなり、採用総数が増え、評価が変わっていく事が望ましいですね。
『化石調査』
『魂喰いオヴィラプター』の存在から万能【恐竜】サーチカードと化したパワーカード。サーチ先の規制に伴い、弱体化を余儀無くされ、加えて自身も準制限へ。
それでもまだまだ【恐竜】の貴重な戦力としての活躍も期待できるカードとなっています。
制限解除
『EMペンデュラム・マジシャン』
かつては環境を支配した【EM】の強力なサーチャーで、今期も【EM魔術師】の貴重な戦力として健闘していました。この度、晴れて制限解除。
3枚採用が可能となり、同デッキのパワーも格段にアップすると予想されます。
使用デッキの候補として、十分に挙げられるポテンシャルを有したデッキです。
『黒き森のウィッチ』
エラッタを受け、弱体化したものの、『妖精伝姫-カグヤ』『怒炎壊獣ドゴラン』と、【壊獣カグヤ】の双方をサーチ仕分ける柔軟なカードであり、難点であるサーチ先の効果の発動へ設けられた制限も、これらならば軽減できる事から、環境次第でいつ実戦投入されてもおかしくない存在となっています。また、【魔術師】のエクシーズ先の候補として挙げられる『星刻の魔術師』によって『黒き森のウィッチ』をサーチ可能であり、「リンク」システムを用いる事で、墓地へ送ることも容易となっている現在。
隙あらば環境の一角を狙える位置に間違いなく陣しています。
『彼岸の悪鬼 スカラマリオン』
【彼岸】の後続確保役として腕を鳴らした『彼岸の悪鬼 スカラマリオン』ですが、サーチ先の筆頭であった『魔界発現世行きデスガイド』は未だに制限。【彼岸】のエースモンスター『彼岸の旅人ダンテ』も制限と、軒並み主戦力を削がれたままのとなっており、復権にはもう一押し欲しいところです。
噂ではじきに【彼岸】の新規カードが収録されるとのことですが、実際の情報が公開されるまでは定かではありません。
しかし、『彼岸の悪鬼 スカラマリオン』は【彼岸】復活へ間違いのない貴重な1歩となる事でしょう。
『レスキューキャット』
かつて『召喚僧サモンプリースト』からリクルート筆頭であった『レスキューキャット』。レスキューシリーズの先駆けでもあり、環境最前線で活躍し、禁止カードにまで上り詰めたカード。
エラッタにより1ターンに1度、リクルート先の効果無効、となったものの、リクルート効果自体は健在で、使い方次第では実戦での活躍も視野に入ってくる性能を備えている事から、構築の際頭の片隅には入れておきたいカードです。
『異次元からの埋葬』
長い規制期間を経て遂に完全釈放。《エクストラパック2017》にて来日した【ヴェンデット】のアンデット要素との相性が良く、その方面での活躍に期待の掛かるカードです。
『炎舞-「天璣」』
【十二獣】の影響から規制対象となっていましたが、この度制限解除となりました。本来の【炎星】サーチとしての運用を主に、今後は悪用されないことを願います。
『儀式の準備』
こちらも【ヴェンデット】と好相性のカード。儀式全般のサポートとしての採用は十分あり得るカードです。
未だに規制の多い【影霊衣】の安定性向上にも期待できます。
『機殻の生贄』
元祖環境進出Pテーマである【クリフォート】も最近ではなかなか目にする機会がありません。【彼岸】同様新規カードの収録が示唆されていますが、どうなることやら。
ですが、【クリフォート】に於いてかなり比重のある『機殻の生贄』の緩和は【クリフォート】にとって吉報であることは確かです。
『真帝王領域』
【帝】が誇るロックカードの1枚。【EMEm】へ対抗すべく、率先して採用された末に規制を受け、今回で完全解除となりますが、デッキのエンジンである『汎神の帝王』の緩和が【帝】の再浮上には必要不可欠。
復活はまだ先となりそうです。
『揺れる眼差し』
Pテーマ流行時にメタカードとしての運用が主となるカード。完全解除となりその役割を担うことも可能ですが、【EMEm】の様に、スタートカードとしての運用を可能とするデッキは皆無に等しく、当時ほどのパワーは期待できません。
【魔術師】ならば辛うじて運用は成せますが、「エクストラモンスターゾーン」導入以後のペンデュラムテーマにそこまでする余力は無いというのが現実です。
『竜の渓谷』
遂に解禁される【ドラグニティ】の核。『覇王眷竜ダークヴルム』『亡龍の旋律-デストルドー』へのアクセスが主な役割となりつつある『竜の渓谷』ですが、何やら【ドラグニティ】の新規に関しての噂もあります。
『テラ・フォーミング』の減少に合わせて解除されたことにより、採用総数自体に変化はなく、これまでの様に運用することも十分可能となります。
今後も利用機会は多そうなカードですね。
まとめ
結果的に見れば、【SPYRAL】は間接的な規制もなく、ほぼノータッチで本改訂を抜ける事となります。
海外新規で日本リリース直後、おまけに、新規カードの「リンク」モンスターまで刷る徹底ぶりからも、「規制は無い」との見解が有力でしたから、そこまで驚きはないと思います。
しかし、海外を見習ってか、先攻展開への抑止力として無くてはならない存在のはずである『増殖するG』を切り込んだ事にはやはり疑問が残ります。
確かに、汎用性という面では、ほぼ全てのデッキの3枠を取りかねない程優秀なカードであることは事実。
しかし、これの存在はゲームのバランスを維持する上で必要だったのでは無いのでしょうか。
言及し始めると収まりがつかなくなるのでここまでにしますが、この点に関してはどうにも理解に苦しみます。
…切り替えます。
ポジティブに考えるならば、増殖するGの被りを気にせずフル投入出来るようになった。
といったところでしょうか。
なんにせよ、プレイヤーは定められたレギュレーションに従うのみですので、不満はあってもそれまでです。
【SPYRAL】【HERO】と来期の活躍が予想されるデッキ群に【真竜】の様なメタのベクトルが異なるデッキが現れない限りは、【SPYRAL】へ集中的な対策を講じる事で、様々なデッキにチャンスがあると言えます。
レギュレーション発表時に不満を抱くのは今回に始まった事では無いですし、蓋を開けて見れば「良環境でした」なんて事も十分あり得るので、来期もとにかく楽しみましょう!
楽しもうという気持ちがあれば、しっかり楽しめるはずです!
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