2017年12月22日金曜日

渇いた「EXデッキ」に潤いを与え、手札の質を高める『バウンドリンク』。












バウンドリンク

速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分のフィールド・墓地のリンクモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主のEXデッキに戻し、
そのリンクマーカーの数だけ、自分はデッキからドローする。
その後、ドローした数だけ手札を選んで好きな順番でデッキの下に戻す。







遊戯王.jp



2018年1月13日発売予定の新エキスパンション《フレイムズ・オブ・デストラクション》収録。
リンクモンスターに関連した効果を有する「速攻魔法」カード。


自分のフィールド・墓地に存在する「リンク」モンスター1体を対象とし、それをEXデッキに戻す事ができる為、展開に特化した小型モンスターを多量に搭載し、それらを用いる「リンク」展開を軸に据えたデッキを扱う上で懸念材料とされる「EXデッキ」の枯渇に起因する「勝ち筋の消失」といった事態への対処も少なからず見込めるでしょうか。


『ファイアウォール・ドラゴン』が無制限であれば、そちらによるEXデッキのリソース回復も見込めましたが、頼みの綱も「2018/01/01〜」施行のリミットレギュレーションより制限カードに指定される事となる為、その線への望みは薄まります。



それに伴い、先攻展開時に「EXデッキ」を使い切るような事態の頻度は低下するでしょうが、それでも「リンク」へ大きく依存するデッキは多く、第一陣を切り返された場合にその後が続かない。と言った展開も十分に考えられる事から、『貪欲な壺』等を用いて一挙にEXデッキのリソースを回復する手段の搭載も視野には入るでしょう。



そんな現状に投じられるのが『バウンドリンク』。
EXデッキに戻す事が可能なリンクモンスターの枚数は1枚に限られ、多量の回復は見込めないものの、それは即ち墓地を整えずとも必要なカードをピンポイントで回収できるという利点ともなり得ます。


「2018/01/01〜」より制限カードとなる『ファイアウォール・ドラゴン』を展開途中で一時的にリンク素材とした場合でも、同ターン中に再び『ファイアウォール・ドラゴン』成立を狙う展開も望めます。


アドバンテージを意識するならば基本的には墓地からの回収が狙い目でしょう。
一応はフィールドからもEXデッキに戻す対象を選択可能となっていますが、EXモンスターゾーン等、特定の位置を空ける役割としてはやはり損失が大きく、リカバリの見込みが十分であったとしてもそのリスクは無視できません。
リンクモンスターの効果に対して発動された『エフェクト・ヴェーラー』等を避ける際にはフィールドへの適用も有用ですが、『エフェクト・ヴェーラー』の採用が疎らな現在は、憫然ながらもその機会もそうそう訪れないでしょう。








加えて、当効果によりEXデッキへ戻したリンクモンスターが有するリンクマーカーの数に応じてデッキからカードをドローする事が出来ます。


そのリンクマーカーの数だけ、自分はデッキからドローする。


件の『ファイアウォール・ドラゴン』は現存するリンク数としては最大の「4」である為、その場合は4枚ものカードをドローする事が可能。


汎用リンクであれば『ファイアウォール・ドラゴン』同様に「リンク4」となる『ヴァレルロード・ドラゴン』や、モンスターの展開にも関与する『鎖龍蛇-スカルデット』等、比較的採用機会の多いカードを戻す事でドロー枚数を稼ぐことが出来ます。




「リンク3」の場合でも、汎用リンクでありながら、非常に強力な妨害能力を備える『トライゲート・ウィザード』や、頃来のリンク展開には最早欠かせない存在ともいえる『サモン・ソーサレス』があります。




ある程度のドロー数を期待するならばこの辺りの高いリンク数となるモンスターが候補となるでしょうか。
これらは汎用性に優れており、あらゆるデッキへの採用が見受けられるため、それに伴って『バウンドリンク』に関しても運用自体は比較的容易となります。







しかし、『バウンドリンク』はドロー処理の後に効果で引いた枚数分、手札のカードをデッキに戻す必要があり、直接的なアドバンージには繋がりません。


その後、ドローした数だけ手札を選んで好きな順番でデッキの下に戻す。


EXデッキへリンクモンスターを戻せる分、長期的に見たリソースの確保は成せるものの、発動時に際してはドローした枚数そのまま失う為、アドバンテージの獲得どころか『バウンドリンク』自体を含めれば、寧ろ損失を伴うカードとなります。


「リンク」展開の過程でそういった損失の軽減は望めるものの、何の気なしに発動しては有効的な運用とは程遠いです。


その為、「リンク」成立=アドバンテージへと繋がり易い【剛鬼】等、「リンク」時に後続確保が望めるギミックとの併用が理想的です。



「剛鬼」の場合、フィールドから墓地へ送られた際に、デッキから同名以外の「剛鬼」カードをサーチする効果を備える各種「剛鬼」モンスター。
こらによって発生するアドバンテージを『バウンドリンク』を用いる事で不確定なリソースとして、あらゆるカードへの変換を試みる事ができます。
これにより手札誘発等の妨害手段の獲得も見込め、手札全体から不要なカードのみを戻す処理は、最終的な手札の質を高めることに繋がります。
「1ターンに1枚」のみと、発動に制限が設けられてはいるものの、「速攻魔法」という性質上、2枚以上引き入れた際でも1枚はセットしておくことで、相手ターン中にドローする見込みもあり、その際はドローした中からより適切な妨害札の選定が可能となるでしょう。
不要であれば1枚目の『バウンドリンク』の戻す処理を以て、2枚目をデッキへ返す選択肢もある為、リンクの展開さえ成立していれば複数枚引き入れてしまった場合でもやりようはあります。


EXデッキのリソースを僅かながらに拡張し、盤面形成への間接的な補助が見込める他、妨害札の獲得に繋がるドロー(手札交換)を行う『バウンドリンク』。
少々難のある部分も目立ちますが、「リンク」を戻しつつ手札の交換を図る効果は非常にユニーク。
運用次第では「リンク」展開成立への貢献も少なからず見込める面白いカードです。








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