2017年11月7日火曜日

『魅幽鳥』もポテンシャルは高いんです












魅幽鳥みくらとり

効果モンスター
星4/闇属性/鳥獣族/攻1300/守1500
(1):このカードがメインモンスターゾーンに存在する限り、
その位置によって以下の効果を得る。
●左端:このカードの攻撃力・守備力は1000アップする。
●右端:このカードは1度のバトルフェイズ中に2回までモンスターに攻撃できる。
●中央:このカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
●それ以外:このカードと同じ縦列のモンスターは効果を発動できない。








《エクストリーム・フォース》にて登場したモンスター。


その能力は、自身が配置されたモンスターゾーンの位置を参照し、それに応じた能力を得るという特殊なもので、「レベル4」の下級モンスターとしては破格のステータスへと変貌を遂げたり、強固な効果耐性を得るなど、多岐に渡って活躍の見込めるデザインとなっています。


しかし、カードの情報が判明した当初こそ、「破格のステータスを得る下級」という事で話題にはなりましたが、蓋を開けてみれば「リンク」の展開パターンの幅を大きく広げた『鎖龍蛇-スカルデット』や、コントロールタイプのデッキへ搭載される新たなシステムモンスターとして注目を浴びた『インスペクト・ボーダー』等、爆発力や拘束力に長けたカード群に話題を取られ、『魅幽鳥』はひっそりと、いつ来るとも知れない出番を待つ事となりました。


新ルール適用後は、徐々にスタンダードとなりつつある「カードの配置」に関する能力の数々。


中でも、『魅幽鳥』程細かに指定されているものは珍しく、改めて「新マスタールール」への移行を痛感させられる。
そんな、「新マスタールール」を象徴するかの様な能力を備えるモンスターです。







最大の魅力はやはり「打点」


「レベル4」「闇属性」「鳥獣族」と比較的扱いやすいステータスを有する『魅幽鳥』。


『RR-フォース・ストリクス』によるサーチにも対応し、デッキ次第では1枚挿しておくだけでも機能する事が望めます。



そんな『魅幽鳥』を運用する上で外せないのがデメリット無しの「レベル4」モンスターとしては破格となる高打点でしょう。


●左端:このカードの攻撃力・守備力は1000アップする。



元のステータス「攻1300/守1500」にそれぞれ「1000」加算し、効果適用中のステータスは「2300/2500」。
これは、大抵の下級モンスターや中型「リンク」程度であれば叩ける数値で、同時に登場した『インスペクト・ボーダー』を一方的に叩き割ることも可能です。



ステータス強化の条件となるメインモンスターゾーンの左端への配置は、現在の「リンク」展開等では余りがちと、比較的重要度の低い位置となっており、高打点の下級モンスターとしての運用は十分に見込めます。


先に挙げた『インスペクト・ボーダー』や『ライオウ』等のシステムモンスターに対しては、このステータス強化が有効となるでしょう。








素のステータスでは心許ないモンスターへの2回攻撃


●右端:このカードは1度のバトルフェイズ中に2回までモンスターに攻撃できる。



『魅幽鳥』を右端へ配置する事で得られる「モンスターへの2回攻撃」を可能とする能力。
とはいえ自身のステータスを強化する能力と併用出来ない為、素のステータス「攻1300/守1500」の状態で得る能力となります。
これでは、下級モンスターすら破壊できるか疑わしく、そのままでは2回の攻撃を活かすには程遠いです。
『スケープ・ゴート』等のトークンを叩く分には不要ですが、基本的には何らかの方法による戦闘面の補助が必須となり、単体で機能する能力とは評価し難い物となります。


戦闘面では無類の強さを誇る装備魔法『月鏡の盾』を併用する事で戦闘破壊によるアドバンテージ獲得も見込めるでしょうか。








効果対象指定不可・効果破壊耐性


●中央:このカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。



中央に配置する事で相手からの効果対象指定不可・効果破壊耐が適用されます。
しかし、戦闘に関する耐性を持たない為、前項の攻撃回数増加と同様にステータス面に不安が残ります。
前項でも挙げた『月鏡の盾』を装備する事で、ある程度強固なアタッカーとして運用できますが、『月鏡の盾』に向けて放たれる除去や、対象を取らず破壊を介さない除去も存在する為、決して信頼できる様な物ではありません。


能動的なアドバンテージの獲得手段も無く、『魅幽鳥』を運用する際でも、こちらを適用する機会は少ないかもしれませんね。







同列に存在するモンスターの効果を無力化


●それ以外:このカードと同じ縦列のモンスターは効果を発動できない。



唯一、適用されるモンスターゾーンが2ヶ所設けられているのがこちらの能力。


エクストラモンスターゾーンと同列の2ヶ所から選択可能で、同列に存在するモンスターの効果の発動を封じる、非常に強力な効果。
片側のエクストラモンスターゾーンを使用した上で、反対側に『魅幽鳥』を配置しておく事で相手のエクストラモンスターゾーンのモンスターに対する抑止力としても少なからず機能しますが、ここでも『魅幽鳥』の打点不足による場持ちの悪さが顕著となります。


相互リンクの関係からエクストラモンスターゾーンの下段に配置される機会の多い『トライゲート・ウィザード』。
こちらの成立時に『魅幽鳥』を同列へと召喚する事で、その効果の発動を抑止できます。


このように、「リンク」展開に対しても後出しで機能する可能性を秘めている点は高く評価できます。
とはいえ、『トライゲート・ウィザード』の傍に効果未使用の『ファイアウォール・ドラゴン』が添えられていた場合『魅幽鳥』は無力となり、決定打とはなり得ません。



それでも、エクストラモンスターゾーンと同列に存在するモンスターの効果であれば、相手の不意をついて無力化可能で、自身の有するその他のステータス強化能力等を加味すれば、十分に利用価値の見出せるモンスターです。


また、実用性については疑念が残るものの、『ポジションチェンジ』を併用する事で『魅幽鳥』の各能力を状況に応じてある程度コントロール出来ます。





個のポテンシャルとしても決して低くない『魅幽鳥』。
今後の活躍に期待しましょう。








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