2017年11月22日水曜日

複数体の「トークン」生成に滅法強い『青眼の精霊龍』














青眼の精霊龍ブルーアイズ・スピリット・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター
星9/光属性/ドラゴン族/攻2500/守3000
チューナー+チューナー以外の「ブルーアイズ」モンスター1体以上
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
お互いに2体以上のモンスターを同時に特殊召喚できない。
(2):1ターンに1度、墓地のカードの効果が発動した時に発動できる。
その発動を無効にする。
(3):S召喚したこのカードをリリースして発動できる。
エクストラデッキから「青眼の精霊龍」以外の
ドラゴン族・光属性のSモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
そのモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。
この効果は相手ターンでも発動できる。









2016年1月9日発売。《シャイニング・ビクトリーズ 》にて登場した「ブルーアイズ」に於ける、ある種の境地とも言うべき「シンクロ」モンスター。


同弾にて登場したサポートカードに加え、「劇場版 遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」の前売り券の特典として配布された『青眼の亜白龍』



《ストラクチャーデッキR-巨神竜復活-》




これらによる間接的な微強化も相まって、数多の新戦力を擁した【青眼ブルーアイズ】デッキはファンデッキから一転、トーナメントシーンに於いて、上位層に食い込むまでのデッキへと昇華しました。


そんな【青眼】を一気に環境レベルに引き上げるまでの躍進を支えた『青眼の精霊龍』。


当時は「エクストラモンスターゾーン」等のEXデッキからの特殊召喚に関する制限が無く、非常に強力な召喚方法であった「ペンデュラム召喚」に対し、一度に複数体の特殊召喚行為を封じる効果(1)は絶大な効力を発揮していました。


(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
お互いに2体以上のモンスターを同時に特殊召喚できない。


加えて効果(2)。


(2):1ターンに1度、墓地のカードの効果が発動した時に発動できる。
その発動を無効にする。


「遊戯王」に於いては墓地リソースが重要という点は、比重に変化こそあれいつの時代も変わりません。


それを1ターンに1度無効とする当能力は様々なデッキに対し有効な妨害手段として機能し、【青眼】の飛躍を後押ししていたのは紛う事なき事実でしょう。







上記の能力だけを見ても相手の思惑への抑止力として十分な性能を有する『青眼の精霊龍』ですが、攻守に於いて死角のない。
『青眼の精霊龍』の本質は効果(3)にあります。


(3):S召喚したこのカードをリリースして発動できる。
エクストラデッキから「青眼の精霊龍」以外の
ドラゴン族・光属性のSモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
そのモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。
この効果は相手ターンでも発動できる。


こちらが【青眼】を支えた『青眼の精霊龍』の攻守にわたる活躍の原動力。
基本的には1ターンに限定された使い切りとなる「ドラゴン族・光属性のSモンスター」への変身能力。
『蒼眼の銀龍』や『閃珖竜 スターダスト』等を用いる事でデメリットとなる破壊を免れる他、前者は持ち前の蘇生能力を活かし、攻めに転じる際の打点供給まで成し得る万能モンスター。



『青眼の白龍』のみならず、『白き霊龍』を蘇生し「魔法・罠」を除外によって排除する戦術は【青眼】の常套手段として現在も目にします。



このアクションも「Pスケール」に対して有効とされていました。


また、『月華竜 ブラックローズ』による特殊召喚されたモンスターに対するバウンス効果を用いた使い切りの除去手段としても活用され、まさに攻守に抜け目のない。【青眼】に於ける万能モンスターとして文字通り躍動してきました。



擁立すべきシステムモンスターとして申し分のない「シンクロ」モンスターを獲得した【青眼】はこれに特化したタイプを主として流行。
当初こそ、【EM竜剣士】環境という事もあり上位に名を連ねるまでには至りませんでしたが、直近のレギュレーション改定を経て【EM竜剣士】は衰退。








対して、難を逃れた【青眼】は繰り上がる形で環境上位に登りつめる事となります。
しかし、そんな期間も長くは続かず。
元より「上級モンスター+チューナー」を軸とし、効果を持たないモンスターを複数採用する性質上、安定面に不安要素を抱えていた【青眼】の問題点は、プレイヤーの理解度が深まるにつれて徐々に浮き彫りとなり、メタの推移の影響も受け、その勢力を弱めていきました。


こうした経緯もあり、一時は環境トップレベルに鎮座していた程のデッキであるにも関わらず、目立った規制を受ける事なく現在に至ります。
新マスタールールへの移行を以って、EXデッキから複数体のモンスターを利用した展開が規制された事も相まり、【青眼】はほぼ無規制のまま環境からはフェードアウトしていきました。


しかし、汎用「リンク」の充実化に伴い、【青眼】は当時の輝きを取り戻しつつあります。
以前は手札コスト、若しくは裏守備セットが関の山であった、単体で引き込んだ「レベル1チューナー」『伝説の白石』『太古の白石』の処理方法も、今では特定のカードを介さずとも、『リンクリボー』に変換する事でその能力を即座に発揮できる他、《ストラクチャーデッキ-パワーコード・リンク-》にて登場する『LANフォリンクス』等、手軽なリンク手段の増加により、EXモンスターゾーンを埋めてしまうといった事態の解消も徐々に見込めるようになってきました。








更には《LINK VRAINS PACK》収録の「リンク」を使い、何の変哲も無い【青眼】の一般的な手札から無限ループなんかも…(裁定次第な上にEXデッキの枠も食い潰します)



加えて、特筆すべきは『トーチ・ゴーレム』に対して有効な妨害を自然に獲得できる点。



【青眼】が用いる主な「レベル1チューナー」は『伝説の白石』『太古の白石』の他に、召喚時に「レベル1チューナー」をサーチ可能な『青き眼の賢士』があります。
これにより、『トーチ・ゴーレム』を用いたリンク展開に対してある程度の効力が期待できる『エフェクト・ヴェーラー』の獲得が成せる上、『青眼の精霊龍』擁立に成功した場合、効果(1)の影響を受け、「トークン」2体生成を強いる『トーチ・ゴーレム』は実質プレイ不可となり、展開自体を許しません。



これについては『トーチ・ゴーレム』のみならず、『BF-朧影のゴウフウ』や『スケープ・ゴート』等の「トークン」を複数体展開するものや、【SPYRAL】の『機械複製術』を用いる展開に対しても有効(1体のリクルートは許します)で、その他にも『SPYRAL-グレース』等の墓地効果に対しても抑止力となり得、環境トップレベルのデッキへの効力もある程度は見込めます。




とはいえ、課題も山積み。
如何なるデッキにおいても高い採用率を誇る『灰流うらら』。



こちらが『ドラゴン・目覚めの旋律』や『トレード・イン』等、大打撃となり得るカ所が存在し、前述した安定に欠くデッキの性質についても大きな変化はありません。



しかし、メインギミックが流行しているカードに刺さる事を考えれば、あえて【青眼】を選択する意味もあります。


Tier1とはいかずとも、デッキ選択の候補に加わる程度には、今後再浮上してほしいデッキの一つです。









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