TG ワンダー・マジシャン
シンクロ・チューナー・効果モンスター星5/光属性/魔法使い族/攻1900/守 0
チューナー+チューナー以外の「TG」と名のついたモンスター1体以上
このカードがシンクロ召喚に成功した時、
フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。
フィールド上に存在するこのカードが破壊された時、
自分のデッキからカードを1枚ドローする。
また、相手のメインフェイズ時、
自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを
シンクロ素材としてシンクロ召喚をする事ができる。
2011年2月11日発売。
《エクストリーム・ビクトリー》にて収録された「TG」に属する「シンクロ・チューナー」。
シンクロモンスターでありながら、チューナーとしての運用をも可能とする、当時は画期的且つ希少な存在であった『フォーミュラ・シンクロン』に次いで登場した2体目の「シンクロ・チューナー」。
シンクロ素材にチューナー以外の「TG」と名のついたモンスターを必要とする為、【TGメタビート】や「TG」を主張させた【TG代行天使】等では必須枠として、当時は重宝されていました。
「レベル5」シンクロとしては、決して高くない攻撃力「1900」。
しかし、シンクロ召喚時の能力、破壊された際のドローによるアドバンテージ損失の軽減、加えて貴重なチューナーであり、相手ターンのシンクロ召喚をも可能と、打点を補うに足る、総合力の高い良質なシンクロモンスターです。
「TG」の衰退に伴った使用率の低下
元来、「TG」を扱うデッキに於ける利用価値は非常に高く、主力とされていた『TG ストライカー』『TG ワーウルフ』を用いた展開は、相手フィールドにモンスターが存在し、自分のフィールドにモンスターが存在しない条件下であれば、召喚権を使用せずに、「レベル5」のシンクロ召喚が可能。
このアクションは「TG」デッキ、乃至はそれら出張セットの評価を高めました。
シンクロ召喚時に魔法・罠へ打ち込む除去効果もさることながら、素材となる「TG」モンスター個々に備わる同名以外の「TG」サーチ能力による、後続供給力の高さも魅力です。
それ故に、環境の高速化に「TG」が適応しかねる現状に於いて『TG ワンダー・マジシャン』を活用する事は困難を極め、採用率も激減。
『TG ストライカー』が一時規制を受け、再び無制限へと復帰するまでの期間にどれ程環境の高速化が進行してきたかが窺えます。
また、各デッキの主力が「シンクロ」から「エクシーズ」へ移行していった事も多大な影響を及ぼしたと考えられます。
「TG」衰退で正規のシンクロは困難も、「リンク」の助力で役目を得る。
チューナー以外の「TG」
こちらの素材指定を要する性質上、「TG」ギミックの衰退が、『TG ワンダー・マジシャン』に大きく影響を及ぼす事は明白です。
しかし、《LINK VRAINS PACK》収録。
『水晶機巧-ハリファイバー』によって僅かばかりの救済が施される事となります。
水晶機巧-ハリファイバー
リンク・効果モンスター
リンク2/水属性/機械族/攻1500
【リンクマーカー:左下/右下】
チューナー1体以上を含むモンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
手札・デッキからレベル3以下のチューナー1体を守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。
(2):相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにフィールドのこのカードを除外して発動できる。
EXデッキからSモンスターのチューナー1体をS召喚扱いで特殊召喚する。
正規のシンクロ召喚を介さずとも、『水晶機巧-ハリファイバー』の持する効果(2)を用いる事で"S召喚扱い"でエクストラデッキより、「シンクロ・チューナー」である『TG ワンダー・マジシャン』を特殊召喚できます。
"S召喚扱い"というのが肝で、シンクロ召喚時の能力をも問題なく利用可能。
このカードがシンクロ召喚に成功した時、
フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。
相手ターン中にシンクロ召喚を成すシンクロチューナーである『TG ワンダー・マジシャン』が有する魔法・罠への除去効果。
こちらを相手ターン中の妨害としても運用可能となり、正規のシンクロ召喚を狙う以上に奇襲性が増します。
加えて、召喚に際した素材の指定も「レベル」を調整する必要のない「リンク」である『水晶機巧-ハリファイバー』はぐっとハードルが下がります。
比較的スローな【TG】がスピード面で遅れを取り、環境から衰退した事により、活躍の場を失いつつあった『TG ワンダー・マジシャン』をも再びスポットライトが当たるレベルにまで引き上げる『水晶機巧-ハリファイバー』。
驚異的な超展開ルート確立等、悪用されるケースが際立つものの、こうしたカードにも新たな役割を与えるという面で捉えれば、良心的なカードとの見方も…
超高速環境の進行を助長し続ける「リンク」。
《LINK VRAINS PACK》の発売は転換点となる事でしょう
いつも楽しく見させてもらってます。記事を読んでいて、TG代行天使が流行ってた時に入ってたダストシュートを思い出しました。
返信削除最近は先行制圧の風潮がありますが、当時も当時で1枚で実質制圧したかのようなエグいカードが存在していましたね(笑)
また記事の更新楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
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ありがとうございます!
ダストシュートは本当に凶悪でしたね…
デッキによってはマインドクラッシュなんかも併用して手の内を完全掌握されたり、今とは違った方向で手も足も出ないゲームもちらほらとあったような気もします…
派手さは断然近年の制圧ですが、思い返してみれば、昔の擬似制圧もエグさは間違いありませんね(笑)
楽しんで頂ける記事作りができるよう、精進して参りますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。