【 #遊戯王 『レッド・リブート』】対「罠」用のサイドカードとして流行中。

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レッド・リブート

カウンター罠
このカードはＬＰを半分払って手札から発動する事もできる。
(1)：相手が罠カードを発動した時に発動できる。
その発動を無効にし、そのカードをそのままセットする。
その後、相手はデッキから罠カード１枚を選んで自身の魔法＆罠ゾーンにセットできる。
このカードの発動後、ターン終了時まで相手は罠カードを発動できない。

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※アンケートを設置致しました。

《フレイムズ・オブ・デストラクション》にて登場した「カウンター罠」。

収録弾《フレイムズ・オブ・デストラクション》の発売前、効果が判明時点で手札から発動可能な「カウンター罠」、発動条件も特段厳しい訳でもない当カードの対「罠」に於ける驚異的なまでの即効性とそのターン中全ての「罠」を無力化する対応範囲の広さは高く評価されていました。

手札から即発動可能な上に、発動後そのターン中相手は「罠」カードの発動自体を封じられる。
「罠」へのカウンターとして長年サイドカードに添えられてきた『盗賊の七つ道具』と、後に登場した罠カードの効果を無力化する『トラップスタン』。これらの効力を併せ持ったかのような「カウンター罠」『レッド・リブート』。

「罠」を軸にビートダウンを行うデッキの台頭著しい環境下に於いて、それらへの対抗手段として幾度となくサイドデッキへ搭載されてきた上記のカードを含む対罠用のサイドボード要員に取って代わる可能性をも秘めた性能を備えている事は間違いありません。

現に頃来の環境では、《フレイムズ・オブ・デストラクション》収録の『無限泡影』が手札から発動可能な「罠」カードとして先攻展開への妨害を成し、更にはそれに呼応する様に、罠カードの発動をトリガーとし更なる妨害を敷く、同弾にて大幅に強化された「オルターガイスト」の新鋭『オルターガイスト・マルチフェイカー』の存在、また「オルターガイスト」というテーマ自体が各種専用「罠」を軸とするデッキでもあるため、対罠を掲げる様なモンスターの大量展開から、連続したリンク召喚などを狙う類の前衛的形態なデッキ群がこぞってサイドデッキに『レッド・リブート』を採用しているといった様相。

その他にも、少数精鋭の選り抜かれたアタッカーと、それらの内包するバーン効果を武器とする「トリックスター」や、サーチ能力により『サブテラーの妖魔』の獲得が可能で、それを以て妨害を成しつつ、自身と共に場のモンスターを裏返す事で更に相手の行動を阻害出来る『サブテラーの導師』を主軸に据えたものなど、これらはいずれも軸となるアタッカーの擁立と、それをサポートする「手札誘発」や「罠」によって構成されるデッキとなる為、現環境(2018/01/01〜)に於ける罠ビート寄りのデッキという位置付けと言えます。

これらはアタッカーを少数に絞った上で、それを軸に相手の行動を阻害しつつ、徐々に盤面をコントロールしていく戦術であり、一挙にモンスターを展開し、制圧を試みるデッキ群と比較して「手札誘発」等の主流とされる妨害要素を避けられる様な構成が理想形となり、妨害要素に十分なスロットを割く余裕のないデッキ群、モンスターの展開を基軸に据える様なものに対して立ち回りやすいといった利点があり、その上、メインとなるアタッカーを絞る事で「手札誘発」や「罠」を搭載するにあたり、それらに割くことができるスロットを広げられ、それによって強固な先攻展開を目指すデッキと相対する際、避けては通れないメインの後手時にも、ある程度の勝算がたちます。

しかし、これら罠ビート系のデッキに於いては、一部アタッカーとして搭載されたモンスター自体に妨害機能が備えられている場合もありますが、基本的にはそれらを軸に、その他の「手札誘発」「罠」を重ねる事で相手のアクションをいなす様なゲーム展開となります。
その為、妨害手段として貴重な「罠」を封じられるだけでもある程度の痛手となり、その場合は「手札誘発」などのモンスターに頼る他ありません。
その影響もあってか、近頃はサイド後も妨害の手段を「手札誘発」モンスターに寄せ、『レッド・リブート』の打撃を極力避け得る様な構成も多く見られます。

しかし、その頼みの綱となる「手札誘発」モンスターに関しては、展開系のデッキが扱う上で、対「手札誘発」の絶対的とされてきた『外神アザトート』の存在や、こちらも《フレイムズ・オブ・デストラクション》収録の『墓穴の指名者』といったカードの採用も散見されている為、以前に比べて「手札誘発」モンスターの信頼度も低下しており、ましてや後衛が重要なタイプのデッキ於いては前衛に特化していない分、構築段階に於いても「罠」封じのダメージは否めません。

現環境に存在する「罠」系統のデッキに於いて採用の多い『神の警告』『神の通告』といった召喚無効スペルはもちろん、「罠」の採用数自体は少数ながらもサーチ手段には富んでおり、それらを妨害の軸に据えるペンデュラムテーマ【セフィラ】に関しても、軸となる妨害を封じられる事から、『レッド・リブート』の登場による影響を少なからず受けたデッキと言えます。

反面、ペンデュラムテーマ側が展開に際し、一度発動を許せばそのターン中の展開が封殺されるレベルの効力を備える『次元障壁』に対してある程度対抗できる様になった事で、「ペンデュラム」という括りで見れば『レッド・リブート』の恩恵を受けているとも言えます。

『レッド・リブート』の登場により、これまで先攻時に敷かれた複数の「罠」を超える際に、手を焼いていた部分の解消が僅かながらに見込めるようになりました。
しかし、手札から発動する際にはライフを半分払う上に、

その発動を無効にし、そのカードをそのままセットする。
その後、相手はデッキから罠カード１枚を選んで自身の魔法＆罠ゾーンにセットできる。

といった様に、即効性の代償としてターンを跨いだ際には相手側が有利な効果処理となる為、『レッド・リブート』を用いる場合、そのデメリットに見合う程度、通す価値のあるアクションが求められます。

発動ターン中一気に相手のライフを削りきる。
もしくは相手の魔法・罠に対して全体除去を行うなどを以てデメリットを打ち消す事で、漸く『レッド・リブート』が活きたと言えます。

このように、攻勢を掛ける際に大変有用な『レッド・リブート』ですが、扱い様によっては自分の先攻展開に対して相手が発動し得る、盤面解決に長けた頃来のサイドカードの定番『拮抗勝負』を、一時的ではありますがそのターン中の発動は防ぐ。といった運用も可能ではあります。

先攻時に強固な盤面を築くポテンシャルは有しているものの、「Pスケール」ごと一気に盤面を処理されかねない『拮抗勝負』に対して蓋をする手段に乏しい「魔術師」辺りであれば、そういった運用も一考できるでしょうか。
しかし、デッキから任意の罠カードをセットされるなど、デメリットの面も非常に大きく、安定感は得られません。

長年に渡って後攻めの際、先攻側の敷いた罠を踏み越える事は非常に困難とされ、それらに屈するシーンも幾度となく体験し、目にもしてきました。
それを思えば『レッド・リブート』の様なカードの登場は、そういった面の改善へと着実に向かっている様にも感じます。

まだまだ、先攻が圧倒的に有利ではありますが、手札から発動可能な妨害カードの増加と、罠に対してそれ相応のリスクを伴うものの、速攻対処可能なカードの登場。
それによって、以前に比べれば、後手からもある程度切り返せる様なゲームとなりつつあるのかもしれませんね。

現環境で先攻1ターンキルも可能な上、安定感もある【植物リンク】を以てして環境上位を独占するには至っていないという現状も、手札誘発の増加によるところが大きく、ある種その傾向の現れなのかもしれません。

しかし、先攻時の強力なアクションを達成し得るデッキが大多数である事は間違いない為、幾らかの対抗手段増加で漸く喰らいつけるといった程度ではあります。

また、先攻側も「手札誘発」への対抗手段として、先にも挙げた『墓穴の指名者』の登場もあり、これにかからない『PSYフレームギア・γ』『無限泡影』などの評価も今一度見直されつつあります。

兎にも角にも、「罠」を起点に展開する「オルターガイスト」などが存在する現環境に於いて、一時的にでも封じる『レッド・リブート』の様な存在が無ければ、それらを抑える要素が不足し分布も今以上偏っていたことでしょう。
先攻側の「罠」に対しても展開の過程で獲得されたものなどには『サイクロン』等の愚直な対応では追いつかない事も多々ありますからね。

少々尖ったカードの性質上、メインではなく、サイドデッキへの搭載が主流ではありますが、台頭する罠デッキの抑止力、先攻側の罠への対応など、『レッド・リブート』の流行によってバランスが保たれている部分もあります。

一見「罠」を否定している様にも思える『レッド・リブート』ですが、その実「罠」の存在に対してプレイヤーが寛容になれる。ヘイトを「罠」に集約させないといった作用によって「罠」の立場をより良いものへと導く可能性も秘めています。

サイドカードとして飛躍的に採用数を伸ばす『レッド・リブート』。
まさに展開系デッキのお供としては抜群の性能を備えた優秀なカードと言えましょう。