雪花の光
通常魔法このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合に発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
このカードの発動後、このデュエル中に自分は「雪花の光」以外の魔法・罠カードの効果を発動できない。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
手札のモンスター1体を相手に見せ、デッキに戻してシャッフルする。
その後、自分はデッキから1枚ドローする。
遂に発売となった新エキスパンション《フレイムズ・オブ・デストラクション》にて登場した「通常魔法」カード。
自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合に発動できる。
との発動条件が課せられており、一般的な「魔法」や「罠」に伏せカードの対処やシステムモンスターへの解を委ねているデッキ群への搭載は極めて困難となるカード。
ゲーム開始時点であれば如何なるデッキに於いても発動可能となりますが、安定した運用を目指すのであれば、やはり「モンスター」主体、強いていうならば「フルモンスター(フルモン)」やそれに準ずる程度の思い切った構成をとったデッキへの搭載が理想的でしょう。
頃来は妨害の役割を各種「手札誘発」モンスターに絞る傾向にもありそれで成り立ちます。
その為、メインギミックの要素に「魔法」「罠」が絡まないのであれば、構築段階で「フルモン」に近づける事も不可能ではありません。
とは言え、現在流行の見られるデッキ群はメインギミックに「魔法」カードが不可欠なものも少なくない為、現状搭載可能となるデッキは実質的に限られてきます。
ですが、『雪花の光』の登場により、今後フルモンスターの構成を目指すメリットが増大し、それを可能とするテーマ全体の価値を大きく引き上げる事は確実と言えるでしょう。
デッキ次第では非常に優秀なデッキの循環を促進するカードとして、今後に期待がかかる1枚です。
発動条件とその後の制約
自分の墓地に魔法・罠カードが存在しないことを条件に発動がかなう『雪花の光』ですが、効果適用後に課せられる制約についても、無視出来るものでは無く、この一文が要因となり「フルモン」以外のデッキへの搭載はおそらく不可能となります。
- 自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合に発動できる。
- このカードの発動後、このデュエル中に自分は「雪花の光」以外の魔法・罠カードの効果を発動できない。
1枚目を発動した時点で、そのゲーム中自分は『雪花の光』以外の魔法・罠カード全ての効果を発動できないという非常に重い制約を課せられる為、『雪花の光』を搭載する上ではいよいよをもってフルモンスター以外の選択肢が潰えます。
墓地に魔法・罠が存在しない事で真価を発揮する「超重武者」や、モンスターの展開に比重を置き、それらを以て制圧や攻勢をかける「シンクロン」系統のデッキ。
更には、メインのモンスターがあらゆる除去手段として運用可能で、モンスターのみでもデッキ内のリソース循環からワンショットキルレベルの展開まで可能な「海皇」と「水精鱗」の「水属性」を主体とした混合デッキ等、『雪花の光』を搭載する上で最低条件となるフルモンスターでの構成が見込めるテーマやそれを前提としたデッキも存在します。
『雪花の光』の登場により、それらの強化、延いてはフルモンスター構成を取る利点として今後の構築事情に多大な影響を与え得る性能を備えています。
厳しい条件と制約の先に得られるものは単純明快な2枚ドロー
限定的なデッキへの搭載が前提となる発動条件、発動後に課せられる大変厳しい制約。
フルモンスター構成を成し得るデッキタイプにのみ運用を許される『雪花の光』が齎す効果は単純明快。
強力なカードとして今なお禁止カードのリストになを連ねる「遊戯王」を代表するカードの1枚。
『強欲な壺』にも匹敵する。ノーコストの「2枚ドロー」を実現。
モンスターを主のデッキにおける重要な攻め手の確保から、手札誘発等の妨害を引き入れる用途まで幅広くこなします。
キーパーツを集める目的での運用であればこの上ない程にはまり役となる『雪花の光』。
発動条件とその後の制約は、デッキの構成次第でなんら影響なく運用可能な上に、発動に際したコストの存在もありません。
発動条件は無いものの、コスト面でデッキ内のリソースを失う危険性を孕む『強欲で貪欲な壺』とは、同様に実戦級のドローソースと雖もその性質は対極に位置します。
運用可能なデッキタイプは限られてしまう『雪花の光』ですが、それさえクリアできれば、コストを必要としないドローソースが搭載可能となるフルモンスター構成の特権として確立されていくのではないでしょうか。
それを予感させる程度のポテンシャルはあります。
第2の効果は手札の不要な札をドローに
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
手札のモンスター1体を相手に見せ、デッキに戻してシャッフルする。
その後、自分はデッキから1枚ドローする。
墓地の自身を除外する事で手札の不要となるモンスターを1枚デッキに戻し、新たにカードを1枚ドローする手札効果を行う事が可能な副次的効果を備えます。
墓地に送られたターンにも即座に発動可能な為、効果(1)と合わせて合計3枚ものドローを行えます。
また、デッキにモンスターを戻す処理についても、デッキの中に眠っている事で意味を成すモンスター。
「海皇」「水精鱗」系統に搭載も見られる『ジェネクス・ウンディーネ』の運用に際して、デッキになくてはならない存在である『ジェネクス・コントローラー』を引き入れてしまった際にも保険的な役割も見込めます。
ドローブーストだけでなく、デッキ内のリソース管理にも貢献が期待できる効果(2)を併せ持ち、発動さえかなえば手札の質向上に関して柔軟な対応が可能となります。
加えて、自身をコストとして墓地から除外する点も2枚目以降の『雪花の光』を有効利用する上で欠かせない要素。
複数採用をも可能とし、墓地に魔法・罠を残さない性質はフルモンスターのドローソースとして申し分の無いものといえます。
まとめ
運用に際してはフルモンスター構成を強いられる『雪花の光』は汎用性という面を抑えつつ、フルモンスターという特殊な形態のデッキを強化する非常に趣のあるカードデザイン。
収録弾《フレイムズ・オブ・デストラクション》の発売直後ながら、これを搭載した「海皇」「水精鱗」「ガエル」の混合フルモンスター構築が大会入賞を果たすなど、『雪花の光』の可能性が早々に見出された結果となりました。素晴らしいですね。
また、文中では頻りに「フルモンスターへの搭載を」と書いてきましたが、『雪花の光』自体を採用する事でそのデッキは完全なフルモンスターからは逸脱する形となります。
その為、『星見獣ガリス』『A・ジェネクス・バードマン』『コアキメイル・デビル』を用いた1ターンキルの様に完全なフルモンスターでなければ成立しない様なギミックを搭載する際には、デッキの循環能力向上を図るはずの『雪花の光』自体がビッグアクション達成への弊害ともなり得る為、モンスターのみで構成されたデッキであるからと言って必ずしも採用出来るカードではありません。
しかし、単純なモンスターのパワーを前面に出した構築であれば、禁止カードである『強欲な壺』にも匹敵する程の単純な2枚ドローを成す貴重な存在としてデッキの安定性向上へ多大な貢献が見込めるカードです。
2枚のドローに加え、手札のカードを1枚デッキに戻し手札交換を図る効果(2)に関しても非常に有用で、実質デッキのカードを3枚掘り進める事が可能と、デッキ内の重要なキーカードへのアクセスを確実に助ける強力なドローソースとして、間違いなく前途有望なカードといえます。
『雪花の光』の登場を受け、フルモンスターの更なる躍進に期待します。
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