2018年1月29日月曜日

【 #遊戯王 『墓穴の指名者』『無限泡影』】従来の手札誘発を制する存在と、新たな手札誘発の影響。












墓穴はかあな指名者しめいしゃ

速攻魔法
(1):相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。
次のターンの終了時まで、この効果で除外したモンスター及び
そのモンスターと元々のカード名が同じモンスターの効果は無効化される。



無限泡影むげんほうよう

通常罠
自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードは手札からも発動できる。
(1):相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
セットされていたこのカードを発動した場合、
さらにこのターン、このカードと同じ縦列の他の魔法・罠カードの効果は無効化される。








《フレイムズ・オブ・デストラクション》にて登場した『墓穴の指名者』『無限泡影』。


リリース直後から多くのデッキに採用され、《フレイムズ・オブ・デストラクション》収録カードの中でも環境に大きく変化を与えたカードでしょう。


先攻時の展開で相手のライフポイントを削りきる。所謂先攻1ターンキルが売りの【植物リンク】への対抗手段として期待された『無限泡影』。
その効果が現れてか、はたまたそれ以外が要因となったか【植物リンク】のシェアは同弾リリース直後、若干伸び悩んでいる様にも映りました。


これはモンスターの多量展開から連続したリンク召喚を行うデッキ全般に影響を及ぼし、【オルターガイスト】【トリックスター】【サブテラー】に加え、ある程度展開力も有する【彼岸】など、罠ビート寄りのデッキが台頭してきており、手札誘発を10枚以上搭載可能な程度にメインスロットの余裕があり、初動に必要なカードの枚数が最低限で良いなど、デッキ選択の段階で【植物リンク】等の展開に長けたデッキに対して、比較的有効な構築、立ち回りが可能となるものが好まれている傾向も見て取れます。


また、これら「罠」系統のデッキタイプと相性の悪くない「ペンデュラム」要素を軸とする【セフィラ】【魔術師】に加え、《フレイムズ・オブ・デストラクション》収録の『雪花の光』を搭載した【海皇】なども着実にシェアを伸ばしています。







『無限泡影』


先攻1ターンキルが跋扈する環境下に投じられた新手札誘発『無限泡影』の登場により、評価が大きく変動したカードの1枚としては、【植物リンク】や【インフェルニティ】などの1ターンキルデッキの常套手段であった『外神アザトート』があります。



こちらを展開途中に挟む事で、ありとあらゆる手札誘発モンスターを封殺した上で行う事が可能であった1ターンキルに、以前ほどの絶対的な信頼が置けなくなりました。


もちろん現在も採用の多い手札誘発モンスターをはねのけるには『外神アザトート』の存在は必要不可欠でしょうが、これまではこちらを展開途中に経由するだけでほぼ全ての行動がフリーパス状態で行えた事を鑑みると、確実性の低下、即ち弱体化は否めません。


また、《フレイムズ・オブ・デストラクション》にて大幅に強化され、環境上位に食い込むまでに躍進を遂げた【オルターガイスト】に限っては、手札から発動可能な「罠」として同弾にて登場した新鋭『オルターガイスト・マルチフェイカー』の貴重なトリガー役としても活用されており、先攻時の多量展開を持ち味とするデッキ群の多くを苦しめています。



その他にも多種多様なデッキが混在する現環境ですが、多くのデッキが基本となる手札誘発モンスターを搭載。


  • 『灰流うらら』
  • 『幽鬼うさぎ』(こちらは削られる事も)
  • 『増殖するG』


これらに加え『無限泡影』まで複数採用し、先攻時の多量展開に強く意識を向けた構築も散見されており、しっかりと結果に結びついている物も多いです。


『無限泡影』の登場により、先攻1ターンキルを目指す凶悪な【植物リンク】の雲行きも怪しくなるかと思われましたが、同弾《フレイムズ・オブ・デストラクション》収録の汎用リンクモンスター群。
新テーマ「トロイメア」によって、その希望も潰えることとなります。



主にカード名の異なるモンスター2体(以上)から成る各種「トロイメア」リンクモンスターは、元から連続したリンク召喚を基軸に据えるデッキ群にとってみれば、これらを扱うことは非常に容易く、勝手の良い除去手段・手軽なリンクマーカーという役割を兼任する事が可能な為、限られた15枠のエクストラデッキの質を大幅に高めてくれます。


その中でも【植物リンク】への採用も定着しつつあり、その他にもリンクを扱う多くのデッキが搭載する傾向にある『トロイメア・ゴブリン』。



こちらが【植物リンク】が行う先攻1ターンキルへの抑止力として期待された『無限泡影』への対抗策として利用されています。







効果(1)に備わった、自身のリンク先にモンスターを通常召喚する機会を設ける能力に関しても展開補助として極めて有用な能力となりますが、対『無限泡影』においては効果(2)、相互リンク状態のモンスターを効果の対象選択不可とする能力によって成されます。


【植物リンク】に於ける先攻1ターンキル時の基本となる布陣が、『トポロジック・ボマー・ドラゴン』と、そのリンク先に『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』を特殊召喚し、破壊・蘇生を相手のライフを削りきるまで繰り返すという物。
その為に、繰り返しリンク展開を行い、最終的に墓地の「植物族」モンスターを相手ライフ8000分確保できる様にルートが形成されています。



『無限泡影』を撃ち込む理想的な箇所としてはこの最終盤面に於いて1ターンキルの根幹を成す『トポロジック・ボマー・ドラゴン』に対してでしょう。
しかし、この布陣を敷く過程で『トロイメア・ゴブリン』、更には『トポロジック・ボマー・ドラゴン』の破壊効果からリンクモンスターを守りつつ、それらの相互リンク成立にも一役買う存在として『トロイメア・ケルベロス』を展開。



その上で『トポロジック・ボマー・ドラゴン』に繋ぐことで、『無限泡影』の運用に於いて最も確実で、有効となるはずの箇所に蓋をすることが可能となります。


その為、最終盤面『トポロジック・ボマー・ドラゴン』を待たずして、そのほか展開途中の段階で手札誘発を積極的に当てていくほかなく、展開の過程で『サモン・ソーサレス』によってモンスターを送りつけられた場合『無限泡影』の発動機会を失うなどの兼ね合いもあり、期待された『無限泡影』も1ターンキルへの確かな抑止力とはなりませんでした。



とはいえ、魔法・罠への干渉まで成し得る『無限泡影』は単純に汎用妨害カードとしての評価も高く、先攻1ターンキルへの対抗手段としても悪くない為、採用数が伸びている現状にも頷けます。


先攻展開への対抗策増加によって理不尽なゲームを回避できる機会も増加し、ターンを跨げば跨ぐだけ、本来のゲームとして楽しめるものとなります。
しかし、《フレイムズ・オブ・デストラクション》は1ターンキルの確実性の低下と、新たな妨害にも対応するリンクモンスター。
これだけに留まらず、従来の手札誘発モンスターに対して手軽に撃ち込める対抗手段まで収録されています。







『墓穴の指名者』


『無限泡影』の影響から手札誘発モンスターへの対抗手段としてはベストとされた『外神アザトート』が絶対的とは言い難い現状、しかし手札誘発モンスターの採用数に変化はなく、多量に採用されるケースが殆どで『無限泡影』の存在を危惧しつつも『外神アザトート』に向かう事が先攻展開、1ターンキルへの近道です。


元より『外神アザトート』という手札誘発モンスターへの絶対的な対抗手段を有していたにもかかわらず、それをさらに後押しするかの如きカード『墓穴の指名者』まで《フレイムズ・オブ・デストラクション》に収録されています。


これにより『外神アザトート』成立前に放たれる各種"手札誘発モンスター"に対しても手軽に撃ち込み無力化が図れるようになり増え続ける手札からの妨害要素への数少ない対抗手段として、展開に長けるデッキ群においては特に重宝されています。


リリース直後は全体的にサイドデッキへの搭載が多く見られましたが、頃来はメインの時点から複数枚搭載し、多くの手札誘発をはねのけ、先攻時のアクションを「確かなものにしよう」という気概を持った構築も散見されます。







新たな手札誘発の登場、従来の手札誘発への対抗手段の増加、「罠」デッキの台頭など、よい環境の変化も見られますが、依然として先攻時の強力なアクションは健在で、そのまま1ターンキルを達成されるケースも多く、手軽な召喚方法であるリンク召喚の悪い一面も垣間見えます。


しかし、大会のデッキ分布や入賞リストに目を向ければ多種多様なデッキが混在し、上位のデッキも常にばらけているなど、デッキパワーの高さは否めませんが頃来の汎用リンクによって全体的に底上げがなされた為か、環境自体はそう悪いようには思えません。


工夫次第であらゆるデッキに可能性が見いだせる稀な環境ですから、今のうちに存分に楽しんでおきましょう!
うっかり先攻1ターンキルはご愛嬌ということで。









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