2017年11月15日水曜日

【甲虫装機】【魔導】【シャドール】復権への一歩



















遊戯王.jpにて公開されました。
《LINK VRAINS PACK》収録の新規「リンク」モンスター3種。
「甲虫装機」「魔導」「シャドール」と、かつては環境上位に名を連ね、「遊戯王」界を盛り立ててきたデッキ群へ新たに加わる「リンク」システム。


各テーマ毎の長所を活かしつつ、新ルールに適応させる新規の面々。
過去テーマの再生に向けて、この度公開された新規「リンク」の性能を確認しておきましょう。


contents








甲虫装機インゼクター ピコファレーナ

リンク・効果モンスター
リンク2/闇属性/昆虫族/攻1000
【リンクマーカー:左下/右下】
昆虫族モンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、
このカード以外の自分フィールドの昆虫族モンスター1体を対象として発動できる。
デッキから昆虫族モンスター1体を選び、
攻撃力・守備力500アップの装備カード扱いとして対象のモンスターに装備する。
(2):自分の墓地の昆虫族モンスター3体を対象として発動できる。
そのモンスターをデッキに加えてシャッフルする。
その後、自分はデッキから1枚ドローする。


昆虫族モンスター2体


を素材とする「甲虫装機」の「リンク」モンスター。


一世を風靡した「甲虫装機」の基本戦術のサポートが見込める「リンク」モンスターではあるものの、一般的な「甲虫装機」が『甲虫装機 ピコファレーナ』へ行き着く為にはメインギミックを成立させる必要があるため、その点は矛盾が生じてしまいます。


もちろん、成立時に『甲虫装機 ピコファレーナ』を絡める事で更なる展開手段としての役割を担う事も可能なため、そういった運用がメインとなっていくでしょう。







デッキから「昆虫族」を装備


(1):このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、
このカード以外の自分フィールドの昆虫族モンスター1体を対象として発動できる。
デッキから昆虫族モンスター1体を選び、
攻撃力・守備力500アップの装備カード扱いとして対象のモンスターに装備する。


リンク召喚時手札1枚をコストにデッキから任意の「昆虫族」モンスターを自身以外の自分フィールドの「昆虫族」に装備する能力。



「甲虫装機」の軸となる『甲虫装機 ホーネット』『甲虫装機 グルフ』等をデッキから引っ張り出せる上に、墓地へ送られた際に能力を発揮する『共振虫』『応戦するG』等から更なる後続のカード獲得も狙えます。



しかし、基本的には『甲虫装機 ダンセル』を用いた展開に織り交ぜる事により、従来の展開パターンの強化を図ることになるでしょう。


また、「攻撃力・守備力500アップの装備カード扱い」で装備する為、『甲虫装機 ギガマンティス』を装備する事で「ATK 2900」にまで跳ね上がるため、アタッカーとして十分機能する事が見込めます。
※裁定次第ではありますが







枯渇しがちな「甲虫装機」のリソースを回復


(2):自分の墓地の昆虫族モンスター3体を対象として発動できる。
そのモンスターをデッキに加えてシャッフルする。
その後、自分はデッキから1枚ドローする。


「甲虫装機」が誇る強力な展開の起点となる『甲虫装機 ダンセル』。
デッキから「甲虫装機」、主に『甲虫装機 センチピード』をデッキからリクルートする事になりますが、デッキ内のリソースが枯渇した場合、『甲虫装機 ダンセル』からなるサイクルに支障を来します。
そんな中で、展開に織り交ぜる事でさらに強力な盤面を形成可能な『甲虫装機 ピコファレーナ』の副次的な効果としてデッキ内のリソース回復が見込め、「甲虫装機」に於ける有用性の高さが窺えます。


従来の展開パターンを強化する。
堅実な「甲虫装機」の新規となっています。







魔導原典まどうげんてん クロウリー

リンク・効果モンスター
リンク2/闇属性/魔法使い族/攻1000
【リンクマーカー:左下/右下】
魔法使い族モンスター2体
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「魔導書」カード3種類を相手に見せ、相手はその中からランダムに1枚選ぶ。
そのカード1枚を自分の手札に加え、残りのカードはデッキに戻す。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分はレベル5以上の魔法使い族モンスターを召喚する場合に必要なリリースをなくす事ができる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


魔法使い族モンスター2体


から成る「魔導」のリンクモンスター 。



しかし、「魔導」というカテゴリは元よりモンスターの展開に長けたテーマではないため、緩い条件ではあるものの、序盤に擁立していけるとは言い難いです。


積極的に狙う『魔導原典 クロウリー』成立を狙うのであれば、特殊召喚能力を備えた「魔法使い族」を用いる事も視野には入るでしょう。



ですが、「魔導」ギミックのみでも『ネクロの魔導書』を用いる事で2体の「魔法使い族」供給を狙えます。


とはいえ、事前に準備が必要なアクションであることは否めず、全体的に早期の擁立が求められる能力となっている『魔導原典 クロウリー』の運用に於いて一抹の不安は残ります。







リンク召喚時に「魔導書」をサーチ


(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「魔導書」カード3種類を相手に見せ、相手はその中からランダムに1枚選ぶ。
そのカード1枚を自分の手札に加え、残りのカードはデッキに戻す。


自身のリンク召喚時に不確定ながらも「魔導書」の獲得を可能とする『魔導原典 クロウリー』。
さながら生きた『魔導書庫クレッセン』といった所。



デッキの根幹を支えていたスタートカード『グリモの魔導書』が制限となり、各「魔導書」へのアクセス効率が低下した「魔導」にとって「魔法使い族」2体から「魔導書」の獲得を狙える点を見逃す手はありません。


「魔導書」の多くは自分フィールドに「魔法使い族」が存在する事を発動条件と定めるため、『魔導書士 バテル』同様に「魔導書」の獲得を成しつつ、「魔法使い族」モンスターの供給まで達成する『魔導原典 クロウリー』は是非とも取り入れたい要素です。



しかし、その為には何かしら「魔法使い族」の供給手段を搭載する事となり、構築の難易度は高まるばかり。
『簡易融合』が容易に「魔法使い族」の供給が成せる他、『サウザンド・アイズ・サクリファイス』『ミレニアム・アイズ・サクリファイス』と優秀なものが揃っており、十分採用候補に挙げられます。



また、2体のモンスターを消費するには心許ない「1000」という打点も、『ヒュグロの魔導書』を用いる事で補う事もでき、更なる「魔導書」獲得にも繋がります。
『ゲーテの魔導書』による妨害を基軸とする「魔導」の基本アクションサポートに期待します。







上級魔法使いのリリースを踏み倒す


(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分はレベル5以上の魔法使い族モンスターを召喚する場合に必要なリリースをなくす事ができる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


「魔導書」に関連し「魔導」での利用が前提となる効果(1)に対して、上級や「魔法使い族」を扱うデッキ全般で扱うことが可能な効果(2)。
比較的緩いリンク素材の指定も相まって、【ブラック・マジシャン】等への流用も考えられます。
しかし、召喚権を残しながら『魔導原典 クロウリー』まで繋がなければならない為、こちらの運用に関しては少々手間がかかります。


「魔導」に於いては自身に特殊召喚能力を備える『魔導法士 ジュノン』やその他の上級に関しても『魔導召喚士 テンペル』の存在からリリースを踏み倒すことで得られるメリットは僅か。



一方で『魔導冥士 ラモール』を軸に据えた構築であれば上級「魔法使い族」の召喚にも大きな意味が見出せます。



とはいえ、前述の通り「召喚権」を温存しなければならない点は一層重要視されます。


一先ずは無理に擁立を狙わず、「魔導」の戦術の幅が広がったと捉えるべきでしょう。







シャドール・ネフィリム

リンク・効果モンスター
リンク2/光属性/天使族/攻1200
【リンクマーカー:左/右】
リバースモンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドから、「シャドール」融合モンスターカードによって決められた
融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
(2):このカードが墓地に存在する場合に発動できる。
手札及び自分フィールドの表側表示のカードの中から、
「シャドール」カード1枚を選んで墓地へ送り、このカードを墓地から特殊召喚する。


リバースモンスター2体


を素材に指定された「シャドール」リンクモンスターで、「シャドール」と同じくリバースを主体とするテーマである「サブテラー」のリンクモンスター『サブテラーマリスの妖魔』にも同様の素材指定が施されています。



リンクマーカーの数も双方「2」と、共通していますが、「リバース」全体をサポート範囲とする『サブテラーマリスの妖魔』に対して、『シャドール・ネフィリム』の能力は総じて「シャドール」に関係するものとなっており、運用する上で「シャドール」要素は必要不可欠となってきます。







リバースモンスターのみで「融合」手段を獲得


(1):自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドから、「シャドール」融合モンスターカードによって決められた
融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。


『影依融合』『神の写し身との接触』と、これまでの「シャドール」を支えてきた専用融合の面々(『魂写しの同化』…)。



『シャドール・ヘッジホッグ』の存在から上記の各「融合」カードへのアクセス手段を有し、融合素材となるモンスターらの能力を加味すれば、基本的に大きな損失無く「融合」を達成できる「シャドール」。



とはいえ、その際は「融合カード」+「シャドールを含む融合素材2枚」と最低3枚は必要で、素材となるモンスターはともかく、何らかの形で「融合」を獲得する事が絶対条件となっていました。


しかし、『シャドール・ネフィリム』の登場により「融合」へのアクセスを成し得なかった場合でも「リバース」モンスターを2体揃える事が出来れば、「シャドール」の名を冠する『シャドール・ネフィリム』とその能力による「融合」手段が獲得できるようになります。
これにもう1枚、「融合」素材に使用したい属性のモンスターを確保できていれば、通常通りの融合召喚が可能に。



展開に必要な枚数自体の差はそうありませんが、「融合」を必要としないパターンが生まれたことは「シャドール」にとって大きな前進と言えます。


『レスキューキャット』を用いて「リバース」モンスターを2体呼び出す事で、消費枚数を抑えつつ「融合」を狙えるようにはなりました。



とはいえ、基本的には「セット」を軸とする「リバース」テーマと「リンク」の相性はそこまで良いものではないため、活用には構築段階での工夫が必要でしょう。
デッキの中軸というよりは、ゲーム中「必要とあらばプレイする」程度に留める事で真価を発揮するタイプのカードです。







手札・フィールドの「シャドール」を糧に自身を蘇生


(2):このカードが墓地に存在する場合に発動できる。
手札及び自分フィールドの表側表示のカードの中から、
「シャドール」カード1枚を選んで墓地へ送り、このカードを墓地から特殊召喚する。


各種「融合」を使用せず攻め手の獲得を可能とする『シャドール・ネフィリム』ですが、各種「融合」を介さないが故に生じる欠点があります。


それは「シャドールの融合体」による「融合」のサルベージが不可となり、一度成立する事でその後は絶えず「融合」カードの供給が成せる利点を潰してしまう事。


しかし、これを補うには少々パワー不足ではありますが、効果(2)を用いる事で「融合」のアクションを絶やす事なく運用していく見通しも立ちます。


蘇生の糧となる「シャドール」モンスターは効果で墓地へ送られた際に発動する能力を備え、その分の損失は被りません。


さらに、自身の能力を用いて蘇生させた際に活きてくるのが「リンク」モンスターとしての性能。「左・右」に向いたリンクマーカーの存在です。


これを利用し、蘇生させた『シャドール・ネフィリム』のリンク先に通常の各種「融合」を用いた「融合体」を展開。
その後『シャドール・ネフィリム』の効果(1)を発動する事で、「シャドール」の融合体を複数体運用する展開も狙えます。
それなりの枚数カードを消費しますが、ライフを大きく詰める際には有効でしょう。




現時点で判明している《LINK VRAINS PACK》収録のカードでは唯一「左下・右下」にリンクマーカーが向いていないモンスターとなっています。つまりは自身の効果(2)等を用いて蘇生させることを前提としたデザインという事でしょうか。
「シャドール」カードさえ確保できれば毎ターン「リンク2」のリンク素材として運用する事も出来ますが、効果(1)の利用を前提とすれば「リンク」を介した「融合」サポートであるということが窺えます。







出揃ってきた「リンク」



《LINK VRAINS PACK》にて登場する新規「リンク」も出揃ってきています。


どれも各テーマの長所を活かす有望カードばかりで、「新マスタールール」によって困窮していたデッキ群も展開の自由度を取り戻しつつあるのではないでしょうか。


【SPYRAL】1強とも称される現環境。
《LINK VRAINS PACK》を契機にこの現状を打破し、環境延いては「遊戯王」全体の活性化にも期待します。








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