その性能故に高値で取引されていた『トーチ・ゴーレム』『盆回し』に加え、『ドロール&ロックバード』『スカル・マイスター』と、入手に手間のかかった手札誘発の再録が判明し、一躍注目度の高いストラクチャーデッキとなった《ストラクチャーデッキ-パワーコード・リンク-》。
巷では「パワー"カード"・リンク」等とも揶揄され、「再録枠」が最重要視されてしまっている惨状。
しかし、新規の「リンク」モンスター群の高い汎用性に加え、その他の「サイバース族」もそれなりに粒揃いで、今後が非常に楽しみなセット内容。
手軽なサーチ・ドローを内包するモンスターも登場し「サイバース族」も化ける要素を着々と蓄積しています。
今回はそんな「サイバース族」に加わる新規カード群をまとめてご紹介。
《パワーコード・リンク》新規収録カード
「モンスター」
『シーアーカイバー』(別記事)
『アンチエイリアン』(別記事)
『ストームサイファー』(別記事)
「魔法」
- 『サイバネット・ストーム』(別記事)
「罠」
「EXデッキ」
『LANランフォリンクス』(別記事)
『トラフィックゴースト』(別記事)
ドングルドングリ
効果モンスター星1/闇属性/サイバース族/攻 0/守 0
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分フィールドに「ドングルトークン」(サイバース族・闇・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。
自身が特殊召喚に成功した際に「ドングルトークン」を生成する能力を備えた「レベル1」「ATK/0」の「闇属性」モンスター。
「レベル1」モンスターの利点となる『ワン・フォー・ワン』への対応。
それが能力の起動にも直結するため相性は悪くありません。
しかし、手札コストを要する『ワン・フォー・ワン』のリターンとしては少々心許ないでしょうか。
『ワン・フォー・ワン』のコストとするモンスターに損失の軽減を図ることが可能なものを選定する事で、そのリスクを抑えた『ドングルドングリ』の運用も見えてきます。
また、「闇属性」という点が「覇王」ギミック、延いてはその要となる『覇王眷竜ダークヴルム』のスケール時の効果を用いた「P召喚」に於いても親和性を保ち、円滑な「ドングルトークン」生成に繋がります。
「ドングルトークン」、自身共に利用方法への制約等はなく、「融合」「シンクロ」「エクシーズ」「リンク」とその場に応じて常に最善への道筋を辿ることができます。
その他にも『金華猫』による蘇生にも対応し、『ワンチャン!?』を用いる事でサーチも可能。
勿論『スタック・リバイバー』等の「サイバース族」用のサポートを受け、円滑な「リンク」への助力も見込めます。
カード名称で1ターンに1回と効果の発動回数に制限があるため、連続リンクによる大量展開への関与は難しいものの、振り切られた低ステータスから漂うポシビリティーは確かです。
ガベージコレクター
効果モンスター星2/風属性/サイバース族/攻 100/守1900
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカード以外の自分フィールドのサイバース族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主の手札に戻し、
手札に戻ったモンスターと同じレベルでカード名が異なるサイバース族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。
1ターンに1度、自身以外の自分フィールドの「サイバース族」モンスターを1体手札に戻す事でそのモンスターと異名の「サイバース族」をリクルートする能力。
自身をバウンスすることは叶わないため、何らかの展開手段との併用が前提になります。
『サイバース・コンバーター』や『バックアップ・セクレタリー』であれば容易に『ガベージコレクター』の横に並べることもできますし、『バランサーロード』を駆使する方法もあります。
また、召喚時に墓地のモンスターを蘇生させる能力を有する『サイバース・ガジェット』等の再利用にも一役買うでしょう。
『サイバース・ガジェット』を『サイバネット・バックドア』で1ターン逃しつつ『ガベージコレクター』を獲得するアクションも可能で、リソース次第では、次ターンに『サイバース・ガジェット』の回収も視野に入ります。
「サイバース族」の再利用とリクルートによるアプローチを両立する能力はたいへんユニーク。
フレイム・バッファロー
効果モンスター星3/炎属性/サイバース族/攻1400/守 200
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合に発動できる。
手札からサイバース族モンスター1体を捨て、自分はデッキから2枚ドローする。
表側表示で存在する自身がフィールドから離れた場合手札の「サイバース族」1枚を代償に2枚ドローする手札補充を行うモンスター。
基本的には「リンク」召喚を軸に据える戦術となる「サイバース族」に於いて、"フィールドから離れた場合"という発動条件を満たすことは容易。
また、墓地に「サイバース族」を置くことで『サイバース・ガジェット』等の蘇生先をコントロールできる他、『ドットスケーパー』や同時収録の『シーアーカイバー』等、墓地で発動する効果を持つものとのシナジーも活かしておきたいところ。
また、表側表示の自身がフィールドを離れる事が条件のため、『サイバネット・バックドア』により一時的に除外した場合も『サイバネット・バックドア』のサーチ処理を行った後に手札補充効果が適用されるため、この場合は代償となる「サイバース族」もある程度は選定可能でしょうか。
『フレイム・バッファロー』効果の発動回数に関する制限は名称括りで1ターンに1度となっているため、『サイバネット・バックドア』をトリガーとして1打目を起動した場合次ターンにも「リンク」等にドロー処理を折り込む事も見込めます。
性質上消費の激しい「サイバース族」に於いて手軽な手札補充を可能とする『フレイム・バッファロー』の登場はたいへんよい影響を与えてくれそうです。
「炎属性」「DEF/200」と、『真炎の爆発』に対応するステータスを備えますが、サイバース色の強い能力となる『フレイム・バッファロー』を扱うデッキに組み込むのは少々骨が折れます。
なんらかの形でいつか活きてくると良いのですが。
レディ・デバッガー
効果モンスター星4/光属性/サイバース族/攻1700/守1400
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキからレベル3以下のサイバース族モンスター1体を手札に加える。
自身の召喚・特殊召喚時に「レベル3以下」の「サイバース族」モンスターを獲得可能な「サイバース族」に於いて貴重なサーチャーとして有望なモンスター。
『バックアップ・セレタリー』『サイバース・コンバーター』等をサーチする事で即座に「エクシーズ」や「リンク」を狙えます。
また、こちらも召喚時に発動する有用な能力であるため、『ガベージコレクター』による再利用も十分視野に入る素材です。
広範囲に及び、即効性に富んだそのサーチ能力は「サイバース族」に於いて重要なポストを担う見込みも十二分にある、非常に優秀なモンスターでしょう。
セグメンタル・ドラゴン
効果モンスター星7/光属性/サイバース族/攻2600/守2400
(1):このカードはリリースなしで通常召喚できる。
(2):このカードの(1)の方法で通常召喚したこのカードの元々の攻撃力・守備力は半分になる。
(3):1ターンに1度、このカードが通常召喚されている場合に発動できる。
表側表示のこのカードを破壊し、その攻撃力以下の攻撃力を持つ
メインモンスターゾーンのモンスターを全て破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
ドラゴンを名乗るも、あくまで「サイバース族」に属するモンスターの1種。
「レベル7」「ATK/2600」と、素のステータスはまさしく大型モンスターの其れで、本来のステータスを活かすとするならば「アドバンス召喚」や、なんらかの形で特殊召喚する必要が出てきます。
その場合、どうあってもそれなりに手数がかかるためこの運用については少々躊躇われる部分があります。
『セグメンタル・ドラゴン』の運用に於いて軸に据えるならばまずは自身の攻守を半減させる事で可能となる「妥協召喚」。
こちらを主とした運用を心掛けたいです。
折角の高打点を自ずから下級レベルにまで引き下げてしまいますが、リリースなしで通常召喚可能な「レベル7」としての価値は「エクシーズ」や「シンクロ」素材として十分に有するでしょう。
また、効果(3)の自身が通常召喚されている場合に適用可能な自壊能力。
こちらを用いることで自身を「妥協召喚」した場合でも相手の下級モンスターの一掃をも見込める除去性能を発揮します。
相手ターンにも発動可能で、「トークン」等を用いた「リンク」展開が主流である限りは「妥協召喚」によって半減さたステータスを参照した際の効果(3)であっても、ある程度の効力が見込めます。
理想としては「アドバンス召喚」等を介し「ATK/2600」の『セグメンタル・ドラゴン』から除去能力を放ちたいところですが、召喚に際した損失を考慮すれば下級への除去が落とし所としては悪くないのでしょう。
召喚したという情報を残しつつ打点をリセットする手段としては『サイバネット・バックドア』は適任でしょうか。
とはいえ、発動のタイミングによっては1ターン丸々除去能力が退いてしまうため、本来の抑止力としての機能は少なからず低下しますが、機会を伺いつつ状況次第では狙っていきたいところです。
何にしても、生ける全体除去モンスターとしては驚異の手軽さで、汎用性という側面も悪くない。非常に良いデザインのカードですね。
パケットリンク
通常罠このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分・相手のメインフェイズ2に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地のレベル2以下のモンスターを任意の数だけ選び、
フィールドのリンクモンスターのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。
両プレイヤーの「メインフェイズ2」にのみ発動可能と厳しくタイミングを限定された「罠カード」。
元々「罠カード」という性質上即効性には欠けており、セットから発動までのラグは織り込み済みではあります。
しかし、「メインフェイズ2」とフェイズについての制約まで加えられると話が変わってくるでしょう。
セットした直後の相手ターン中、大半のフェイズ内ではセットされた自身への除去を回避する罠特有の回避術を総じて断たれる格好となり、無防備な状態で「メインフェイズ2」まで乗り越えなければなりません。
この点が『パケットリンク』を扱う上では難点として付いて回る事となります。
肝心の効果自体は「手札・デッキ・墓地」と驚く程広範囲から「リンク」モンスターのリンク先に「レベル2以下」のモンスター展開し、リンクモンスターの供給次第では複数体の展開も可能。
発動までに大きな難所が設けられているだけのことはあり非常に強力な展開力を備える罠カードです。
とはいえ、リンクモンスターの擁立、維持が前提となる能力なため、相手ターンを跨ぐ事を避けては通れない「罠」の性質上、やはり運用の難易度は極めて高いものとなります。
『王家の神殿』等を用い、自分ターンの「メインフェイズ2」内で完結させる方向で案ずる手もありますが、コンボ性を高めるのみで現実的とは言い難いでしょう。
相手の「メインフェイズ2」に発動し、自分のターン内でばら撒いた下級モンスターを利用するのが王道パターンでしょうが、セット状態の自身とリンクモンスターの維持についての大きな課題を抱えます。
展開するモンスターに「レベル」以外の指定は無く、「植物族」等の蘇生能力を内包した「チューナー」等を引っ張る事も可能と非常に優秀な面も併せ持つ為、「趣向を凝らして何とか安定した運用まで漕ぎ着けたい」。
そんなロマンを抱かせるカードです。
パワーコード・トーカー
リンク・効果モンスターリンク3/炎属性/サイバース族/攻2300
【リンクマーカー:左/右/左下】
モンスター3体
(1):1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
(2):このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、
このカードのリンク先の自分モンスター1体をリリースして発動できる。
このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、元々の攻撃力の倍になる。
《ストラクチャーデッキ-パワーコード・リンク-》に於いて「Playmaker」と共にパッケージを飾る看板モンスター。
リンク導入後、着々とリリースされている「コード・トーカー」シリーズに属する「リンク」モンスターで、「サイバース族」に素材を限定するものもある中で当『パワーコード・トーカー』は素材とするモンスターの数の指定に止まります。
「コード・トーカー」に属する利点として『リコーデッド・アライブ』による特殊召喚に対応。
とはいえ、「トークン」を素材にできる事を踏まえれば正規の手段を用いる方が容易ではあります。
媒体としての手軽さは評価できるでしょうか。
また、リンクマーカーについても「左・右・左下」と何処に配置しても有効で申し分のない性能。
1ターンに1度、フィールドの表側表示のモンスターを対象に、その効果をターン終了時まで無力化する効果(1)を備えますが、「スペルスピード1」の起動効果である為、相手ターン中の運用は不可。
効果(2)は自身リンク先のモンスターをリリースする事でその戦闘時、自身のステータスを倍増する能力。
「リンク3」の『パワーコード・トーカー』のリンク先にリリースしても問題の無いモンスターを配する。
モンスター3体を要求する素材の関係から、計4体のモンスターを拵える必要があるものの、『スケープ・ゴート』であれば1枚で条件をクリア可能と、「トークン」を用いる事で比較的難易度を引き下げられます。
一過性とはいえ「ATK/4600」までの上昇はやはり魅力的。
効果(1)の能力無効化を併用する事で、耐性持ちモンスターへの解として働く機会は十分にあります。
構えるには不向きですが、オフェンスに関しては非凡な性能が垣間見える「リンク」モンスターです。
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