2017年12月6日水曜日

『マスマティシャン』は次の改訂を無事抜けられるでしょうか。














マスマティシャン

効果モンスター
星3/地属性/魔法使い族/攻1500/守 500
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキからレベル4以下のモンスター1体を墓地へ送る。
(2):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。









《コレクターズパック-伝説の決闘者編-》にて登場したモンスターで、当時流行していた「シャドール」が真っ先に搭載し、一躍その地位を確固たるものとしました。



後に登場する儀式テーマ「影霊衣ネクロス」等、環境でもトップクラスに位置するデッキへの採用が目立ち、その無駄なく高いポテンシャルが災いしてか一時は「制限カード」にまで指定された程。



各種「シャドール」モンスターへのアクセスや、『儀式魔人リリーサー』『ジェット・シンクロン』(その当時『グローアップ・バルブ』は禁止カード)等を始め、『ペロペロケルペロス』の登場後は「永続プラン」や「封殺」に対する除去としても換算可能となり、膨大な量の役割を一手に引き受ける何でも屋の如く、大車輪の活躍を見せてきました。




この様に、各デッキの根幹を担うカード群への柔軟なアクセスパターンとして、汎用的な除去カードとして、登場以来常に重宝されてきた逸材である『マスマティシャン』。


2015年4月1日施行のリミットレギュレーションにて「制限カード」に指定されて以降は採用率も激減。
1枚程度の採用では、如何に墓地肥やしを重要視するデッキであっても、『マスマティシャン』の持ち味であったデッキの安定性向上が見込めないため、致し方ないといえます。


その後一年以上の刑期を経て、2016年10月1日施行のリミットレギュレーションにて「準制限」へと緩和され、続く2017年1月1日より晴れて無制限。完全復帰となりました。


とはいえ、その頃は「十二獣」が健在で、出張による各デッキの安定性向上の役目をそちらに奪われた形となり、緩和直後はかつての様に目立った活躍も無く、各テーマが高いパワーと安定感を持つ、時代の濁流に飲み込まれたかに思えました。



それでも、『エッジインプ・シザー』を用いる事で「ランク3」を構築できることが着目され、一時は「十二獣」へのアプローチ手段としての一部では採用も見られました。



『マスマティシャン』の制限解除と入れ替わる形で制限に指定された『SRベイゴマックス』の穴埋め役として、当初は期待されましたが、召喚権の有無という壁は高く、最終的なメインプランとしての定着までには至りませんでした。



しかし、「インフェルノイド」等、一部のデッキタイプに於いては採択されるケースも見られ、その高いポテンシャルの健在っぷりをアピールしました。







その後、そんな圧倒的安定感を誇った「十二獣」も強すぎるが故の規制により、大幅な弱体化を余儀なくされ、現在はテーマのみでは構築自体も危ぶまれる程にまで切り込まれました。
同時期に猛威を振るい、「十二獣」規制後は環境を席巻した「真竜」系統のデッキタイプも、改訂を経て衰退。



さらには大幅なルール変更に加え、新たな召喚方法として「リンク」システムが導入された事により「トークン」生成に関する需要が急増。
『ダンディライオン』をデッキから落とし、即座にトークンを2体生成可能な『マスマティシャン』の評価も見直される事となりました。



「リンク」モンスターの充実化に伴い、再び脚光を浴びつつある『マスマティシャン』ですが、《LINK VRAINS PACK》によって「植物族」を用いるギミックが大幅に強化された事により、再びリミットレギュレーションの魔の手が迫っています。


それもそのはず。
何せ『サモン・ソーサレス』『アロマセラフィ-ジャスミン』の登場以降は、『マスマティシャン』1枚からでも先攻ワンキルが可能とされており、その性能は某非公認大会にて上位入賞を果たした例もある程。



この事からも窺える様に、実戦に於いて現実的に成立可能とされているワンキル戦術となっており、その存在は紛ごうことなき脅威です。







とはいえ、実際に先攻ワンキルを成立させているのは『トポロジック・ボマー・ドラゴン』を用いた『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』の連続した蘇生・破壊を介したバーンダメージによるもので、墓地へ大量に「植物族」を確保した後に完遂されるというもの。



その展開プロセスの軸となるのがやはり《LINK VRAINS PACK》のカード群。



『水晶機巧-ハリファイバー 』『アロマセラフィ-ジャスミン』は勿論、『彼岸の黒天使 ケルビーニ』に至っては展開パーツの供給に加え、自身のリンク先に『トポロジック・ボマー・ドラゴン』を配する事によるフィニッシュ時の妨害ケアまで成し得る始末。


また、当然『ファイアウォール・ドラゴン』も展開の手順に組み込まれており、『マスマティシャン』やその他の起点となるモンスター群以上に、対処すべきものはあるようにも感じます。




先攻ワンキルデッキが混在する特異な環境


現在、【インフェルニティ】【レダメループ】【アマリリス】等、先攻ワンキル要素を内包したデッキが複数存在するという極めて珍しい環境となっており、そのワンキル関連の展開全てに『ファイアウォール・ドラゴン』が絡みます。



諸悪の根源としてプレイヤーのヘイトを溜め続けるカードと化しつつあるものの、主人公の使用するカード故の懸念もあります。


とはいえ、先日の『地霊神グランソイル』の一件やこれまでの対応を鑑みても「先攻1ターンキル」への対処は比較的厳重に行われてきた事は確かです。



実質的にプレイヤー間のやりとりを否定する訳ですからそう容易く許してはいけない。というのは至極当然ではあります。
今回はどの様な対応がなされるのか「2018年1月1日施行」のリミットレギュレーション改訂に於いて、最も注目度の高いトピックであることはまず間違いないでしょう。


勿論、環境を支配したといっても申し分ない、【SPYRAL】の処遇についても気になるところではありますが、やはりターンが回ってすら来ない事の方が大きな問題でしょう。



個人的には諸々含めて大いに期待していますよ。







余談


《LINK VRAINS PACK》の目玉カードである『水晶機巧-ハリファイバー 』からの展開に用いられる機会も多い『BF-隠れ蓑のスチーム』は『マスマティシャン』と同じく《コレクターズパック-伝説の決闘者編-》出身。



加えて、現在は鳴りを潜めているものの、キーパーツの獲得を成しつつ墓地リソースの確保までこなす、速度面を度外視すれば現カードプールに於いても一線級の性能を備える『クリバンデット』も同弾にて登場したモンスター。



こちらも「制限」経験のある熟達したスタートカードとして非常に高い評価を受けていた1枚です。
これに制限カードの『ソウル・チャージ』



さらには『ファイヤー・ハンド』『アイス・ハンド』まで収録。



《コレクターズパック-伝説の決闘者編-》…改めて思い返しますと、想像より遥かに恐ろしいパックですね。









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