2017年12月18日月曜日

『ダブルバイト・ドラゴン』。『始祖竜ワイアーム』を彷彿とさせる耐性も、「リンク」に対しては…













ダブルバイト・ドラゴン

リンク・効果モンスター
リンク2/闇属性/サイバース族/攻1500
【リンクマーカー:上/下】
リンクモンスター2体
(1):このカードの攻撃力は、このカードのリンク素材とした
モンスターのリンクマーカーの合計×300アップする。
(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、
リンクモンスター以外のモンスターの効果を受けず、
リンクモンスター以外のモンスターとの戦闘で破壊されない。









2017年12月23日発売。
《LINK VRAINS BOX》へ新規収録される「サイバース族」リンクモンスター。


「リンク2」で「上・下」に向いたマーカーを有するため、EXモンスターゾーンに配置した際も最低限の機能は見込めるでしょうか。


しかし、リンク素材の指定が


リンクモンスター2体


と少々手間を要するもの。
とはいえ、「トークン」等を『リンクリボー』や『リンク・スパイダー』へ変換して行う、「トークン」を素材に使用出来ない「リンク」モンスターの素材を「トークン」で補う際と同じ要領で解消が可能。




しかし、『ダブルバイト・ドラゴン』の運用に差し当たってはこういった手法を安易には利用できません。


自身の効果(1)によるステータス強化を最大限有効化する為には、それなりのリンク数を稼ぐ事が必要となってきます。







大型リンクを素材とする事で自身を大幅に強化


(1):このカードの攻撃力は、このカードのリンク素材とした
モンスターのリンクマーカーの合計×300アップする。


前述した様に「トークン」等を小型リンクモンスター へと変換する事で


リンクモンスター2体


という素材の指定をクリアする事は容易です。


しかし、単純に「リンク2」としての運用を委ねる場合、素材に指定が無くマーカーの向きも「左下・右下」と非常に有用な『LANフォリンクス』や相互リンク状態ならばバウンス能力を得る『セキュリティ・ドラゴン』等の方が汎用性に優れ、場面を選ばず常に高水準のパフォーマンスが見込めます。




激戦区とも言える「リンク2」の貴重な枠を『ダブルバイト・ドラゴン』が埋める為には、固有の効果をそれぞれ最大限活用するほかありません。


それには先ず、自身のステータス強化する効果(1)の運用を念頭に思案していく事になるでしょう。


件の『ダブルバイト・ドラゴン』効果(1)は自身の成立に際し、リンク素材となったリンクモンスターが保有するリンク(マーカー)数の合計×300ポイント自身の攻撃力を上昇させる能力。


現存するリンクモンスターのリンク数は最大が「4」とされているため、それを2体用いた場合攻撃力の上昇値は「2400」。


元の攻撃力「1500」を加えれば現時点では最大「ATK/3900」にまで達します。


「リンク2」で最大「ATK/3900」へ到達するモンスターは、一見強力に映るものの、実態は「リンク4」を2体用いた、つまりは単純に計算すればモンスター8体分で成り立っている数値となります。


こうしてみると「ATK/3900」という数値は決して高いものではない事が窺え、それが酷く非効率的な打点変換と感じるレベルにあることも事実。


熾烈な競争となる「リンク2」の枠に於いて、この歪なステータス強化では到底採用に足る性能とは言い難いでしょう。


先に挙げた「トークン」を『リンクリボー』『リンク・スパイダー』へと変換した上で「ATK/2100」の『ダブルバイト・ドラゴン』に繋ぐ方が幾分マシとさえ思えます。


効果使用済みの『ファイアウォール・ドラゴン』と「リンク1」で蘇生能力も備え、再利用も見込める『リンクリボー』辺りの盤面上不要となったリンクモンスターを僅かでも打点に変換する能力の方向性自体は良いのですが、何如せん効率の悪さが顕著で、積極的にトライするにはリスクが大きいです。



現状、打点に於ける有用性が誇示しきれない『ダブルバイト・ドラゴン』ですが、効果(2)として備わる「リンク」モンスター以外に対して適用される耐性能力はどうでしょうか。







対リンクを除き驚異的な耐性


(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、
リンクモンスター以外のモンスターの効果を受けず、
リンクモンスター以外のモンスターとの戦闘で破壊されない。


リンクモンスター以外のモンスターの効果を受けず、戦闘破壊もされない、非常に強固な耐性を有する『ダブルバイト・ドラゴン』。


対通常モンスターを除き同様の耐性を有する『始祖竜ワイアーム』のリンクバージョンといったところでしょうか。



しかし、効果を持たず採用していないデッキすら存在する「通常モンスター」とは異なり、「リンク」はその容易な召喚条件から高い採用率を誇り、大多数のデッキから繰り出されます。


そのため、一度成立した場合処理するのに少々手間取る事もある『始祖竜ワイアーム』とは異なり『ダブルバイト・ドラゴン』は成立自体も容易ですが、相手側からの処理についても比較的容易に行われる可能性が高いです。


対リンクを除けば非常に強固な耐性を有する『ダブルバイト・ドラゴン』ですが、「リンク」が展開の要となっている現状その能力に反して場に維持する事は困難を極めます。


また、『始祖竜ワイアーム』同様に「魔法・罠」への耐性は備えておらず、維持するならば『禁じられた聖槍』などでその部分を補填する必要があるため、「2018/01/01〜」より『ブラック・ホール』が制限解除となる事も、これらにとってはあまり芳しくない事態と言えます。








「リンク」の衰退が活躍への1歩


リンクシステム導入後、序盤は多くの効果やマーカーのデザインがやや控えめに設定されており、「融合」「シンクロ」「エクシーズ」等、従来の強力なシステム達の補助として扱われていた「リンク」も、この所はそれ自体の有用性が増大し、多くのデッキのEXデッキは瞬く間に大半が青色に染め上げられています。


そんな状況下では、如何に打点を強化しようとも『ダブルバイト・ドラゴン』の維持についての難易度は高いまま、その上切り返しに最適な「リンク」モンスターとして採用の多い『ヴァレルロード・ドラゴン』によって、苦労して高打点を成立させた『ダブルバイト・ドラゴン』のコントロールを奪取されかねません。



リンクによる単純な除去に関しては『セキュリティ・ドラゴン』等の小型リンクでも可能。
『ダブルバイト・ドラゴン』の配置次第では『アカシック・マジシャン』。
『ファイアウォール・ドラゴン』によるバウンスも多くのデッキに組み込まれる除去手段です。



この様に、耐性を持たない「魔法・罠」による対処についてももちろん考慮しなければなりませんが、先ず第一に「リンク」が蔓延る現状が打開されない限りは『ダブルバイト・ドラゴン』の耐性能力を活かしきる事は難しいでしょう。


成立自体はそれほど難しくない『ダブルバイト・ドラゴン』ですが、戦力として数えるにはそれなりに工夫が必要。
そのため、自慢の耐性が機能しなければ、他の「リンク」より優先して採用する事を正当化する理由が与えられません。
『ダブルバイト・ドラゴン』が真に輝くのは、現状青色が大半を占めるEXデッキの配色に変化が生じた時でしょうか。


現時点で採用するとなれば『ファイアウォール・ドラゴン』を用いた展開に際し、最終的に『リンクリボー』を交える事で「ATK/3000」に達する点は採用を検討する上で考慮しても良い部分かもしれません。
しかし、多くが頭を悩ませるEXデッキの15枠との兼ね合いがあり、現実的な採用については非常に難しい部類のカードとなっています。









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