2017年11月30日木曜日

『九尾の狐』破壊をトリガーにトークンを生成












九尾きゅうびきつね

効果モンスター
星6/炎属性/アンデット族/攻2200/守2000
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札・墓地に存在する場合、
自分フィールドのモンスター2体をリリースして発動できる。
このカードを特殊召喚する。
(2):墓地から特殊召喚したこのカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
(3):このカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
自分フィールドに「狐トークン」(アンデット族・炎・星2・攻/守500)2体を特殊召喚する。








2018年3月10日発売予定の《PREMIUM PACK 20》へ「炎属性」「アンデット族」の上級モンスター『九尾の狐』の収録が判明。


一般発売に先駆けて、「2017年12月16日・17日」に開催されるジャンプヒーロー揃い踏み、年に一度の祭典。
「ジャンプフェスタ2018」にて恒例の先行販売も予定されています。


上級モンスターではあるものの、自身の能力から容易に特殊召喚可能で、さらには「リンク」の導入によってその価値を大きく向上させた「トークン」の生成能力を備えます。


自身が墓地に置かれている状況下でもその特殊召喚能力は有効で、生成する「トークン」の用途も広く、新たなトークン生成カードとして期待の膨らむカードです。







手札・墓地から特殊召喚も2体リリースはやや重い?


(1):このカードが手札・墓地に存在する場合、
自分フィールドのモンスター2体をリリースして発動できる。
このカードを特殊召喚する。


上級モンスターである自身を場に送り出す際、召喚権を利用せずに達成できる点は悪くありません。


また、「アンデット族」らしく自身が墓地に置かれている場合でも、同様の条件から蘇生可能で、破壊時の効果(3)も相まって再利用に十分な意義を持つ能力です。


しかし、自身のレベルは「6」。
当能力を利用する場合、支払うコストは自分フィールドのモンスター2体
正規のアドバンス召喚であれば「レベル6」のモンスターは1体のリリースで済むため、召喚権を無視できると雖も手札からの安易な運用は少々お粗末でしょう。
アドバンス召喚のためのリリースに使用できない「トークン」等もリリースできる利点はありますが、何らかの形で"一旦は墓地へ"置き、後に不要な自分フィールドの「トークン」や下級モンスター等を『九尾の狐』に変換。といった運用を想定する方が現実感も漂ってきます。







また、効果(2)が墓地からの特殊召喚時にのみ適用される点も、上記の手順に沿う形を強いてきます。


(2):墓地から特殊召喚したこのカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。


守備表示モンスターへアタックする際、戦闘ダメージを貫通させる能力ではありますが、自身の攻撃力は「2200」。
お世辞にも高打点とは言い難く、メインアタッカーとしては心許ないです。
序盤はトークンの生成に努め、中盤以降詰めの段階で打点供給等にあてがえば、当貫通能力も有効に働くでしょうか。


また、"一旦は墓地へ"の件で手札の『九尾の狐』を「破壊」することができれば効果(3)の活用を含め、流動的な運用も見えてきます。







戦闘・効果破壊をトリガーとする制約のないトークン生成


(3):このカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
自分フィールドに「狐トークン」(アンデット族・炎・星2・攻/守500)2体を特殊召喚する。


「戦闘・効果破壊」と比較的容易にクリア可能な条件で、2体のトークンを生成できるため「リンク」や自身の蘇生能力の媒体と多彩な用途が見込める能力。


前項でも述べた様に、一先ずは当効果を前面に押し出して運用していく形が理想的でしょう。


起点となる「破壊」に関しては『炎王の孤島』や『炎王獣 ヤクシャ』『炎王獣 ガネーシャ』等が適任でしょうか。
破壊を起点とするテーマ「炎王」との相性は総じて悪くありません。




「炎属性」であるため、『炎王炎環』にも対応し、自身の蘇生・破壊・墓地の「炎属性」を蘇生させるための糧としても利用可能。



また、「レベル6」の『九尾の狐』はPテーマ「メタルフォーゼ」が有する「1〜8」のメインスケールにより「P召喚」可能で、各種「メタルフォーゼ」が備えるスケール時の破壊効果との相性も良好。



「リンク」によりマーカーの供給さえ成せれば、『九尾の狐』自身の蘇生に必要な2体のリリース要員確保もそう難しいものではないため、『九尾の狐』の運用にあたっては多角的な補助が見込めます。







『ドラゴニックD』(禁止)、『真竜皇の復活』(制限)を失い、不安要素は多いものの属性さえ噛み合えば「真竜皇(凰)」を起点として運用することも可能です。




「炎属性」を要求する『真竜皇アグニマズドV』を始め2枚破壊する内、もう一方の「属性」次第ではその他の「真竜皇(凰)」でも成立します。
各種「真竜皇(凰)」は『炎王の孤島』等の「炎王」要素による破壊をトリガーに「サーチ」「リクルート」「サルベージ」「蘇生」といった固有能力起動の円滑化も望めるため、『九尾の狐』とサポートを兼ねる形も取ることが出来ます。


効果(3)のトークン生成能力には発動回数の制限等が設けられておらず、手札等で破壊されトークンを生成した後、それらを媒体に自身を蘇生。
こういったケースで同一ターン中に戦闘等で破壊されたとしても、再びトークンを生成し「リンク」等に利用できます。


「破壊」を容易に達成できれば、繰り返し利用可能なトークン生成役兼中級アタッカーとしての運用が見込めるでしょう。


単体で傑出した性能を持つモンスターではありませんが、組み合わせ次第で有用な「トークン」生成カードとして。
利用価値は大いにありそうです。


現在、驚異的な汎用性を有し「リンク」の充実化に乗じてとてつもないパワーを獲得したカード群も存在しますが、デッキ次第ではこれらの後継役として活躍が見込めるのではないでしょうか。



何にせよ、これまた今後が楽しみなカードです。








2017年11月29日水曜日

『醒めない悪夢』が流行中!?














めない悪夢あくむ

永続罠
「醒めない悪夢」の効果は同一チェーン上では1度しか発動できない。
(1):1000LPを払い、フィールドの表側表示の魔法・罠カード1枚を対象としてこの効果を発動できる。
そのカードを破壊する。









2017年1月14日発売の《マキシマム・クライシス》にて登場した「永続罠」。


リリース当初よりそのカードパワーは高い評価を受け、即座にサイドデッキ等への投入も見られた程に強力なカード。


当時は「十二獣」が猛威を奮う中、同弾にて登場した「真竜」系統のデッキがそれに対抗するといった様相。





「十二獣」側が対「真竜」系の起点となる『ドラゴニックD』の封殺や「メタルフォーゼ」を始めとする「ペンデュラム」の抑止力として採用し、その性能は世評の通り、目覚ましい活躍を見せ、一度発動されればゲームの支配権を握り、受け手は早急な対応を迫られるといった展開もザラで、そういった事象が起こり得るというのも『醒めない悪夢』の持つ高いポテンシャルを物語る要素の一つです。


そんな当初より高い評価を受けていた『醒めない悪夢』も環境の変化に伴い採用機会は減少。
【SPYRAL】環境突入後はほとんど採用が見られない程機会に恵まれませんでした。


しかし、次第に【SPYRAL】も「フィールド魔法」に特化したタイプが確立、その上『醒めない悪夢』が得意とする「Pテーマ」に属する【セフィラ】の躍進等、多くの要素が重なり、頃来はメイン採用まで見られるまでになり、加えてその多くは複数枚の搭載にまで踏み切っています。



また、《LINK VRAINS PACK》発売後はその傾向が特に顕著となりつつあります。
これは新規「リンク」によって【SPYRAL】に対抗し得る程、メインのパワーを底上げされたデッキ群が『醒めない悪夢』で更に対応力を補填しつつ環境への進出を試みている事に由来するのでしょう。
このところ、『スキルドレイン』『醒めない悪夢』と封殺に特化した「永続罠」に加え、後手を想定した「手札誘発」に妨害を委ねた「彼岸」の入賞等も散見され始めており、今後の環境に於けるデッキ分布の多様化にも、徐々に希望を抱けるようになってきているのではないでしょうか。









対【SPYRAL】の発動機会


《LINK VRAINS PACK》発売によって、多くのデッキが勝ち上がるチャンスを得たものの、やはり立ちはだかるは大本命【SPYRAL】。
これを無視することは到底叶いません。


前述したようにメイン採用にまで踏み切った場合、『醒めない悪夢』は対【SPYRAL】に於いてどのような場面で発動機会を得られるのか改めて思案してみましょう。


  • 『盆回し』含め「フィールド魔法」の封殺


冒頭でも触れましたが、「フィールド魔法」に対する抑止力としては抜群の性能を有します。
現在最もシェアの高い『竜の渓谷』『亡龍の戦慄-デストルドー』まで搭載、『盆回し』を軸とし「フィールド魔法」にウェイトを置いた【SPYRAL】。
「SPYRAL」のサーチに加え、「SPYRAL」モンスターへの耐性を付与する『SPYRAL RESORT』は単発、維持、どちらも相手取る際は好ましくありません。



「フィールド魔法」に特化したタイプの初動には頻繁に絡むであろう『SPYRAL RESORT』に対して無類の強さを誇る『醒めない悪夢』。
「フィールド魔法」への干渉の可否は死活問題にさえなり得ます。


勿論、『トーチ・ゴーレム』『BF-朧影のゴウフウ』や、「フィールド魔法」を介さない初動には無力ですが、軸に据えているプランに対して有効となる点は非常に大きいです。


  • 『SPYRAL GEAR-ビッグ・レッド』


『SPYRAL-ジーニアス』でサーチ可能な戦闘耐性付与の副次効果まで備える「SPYRAL」専用蘇生カード。



召喚権使用後に『SPYRAL GEAR-ドローン』の蘇生を試み、相手のデッキトップ確認を委ねるケースも存在するため、場合によっては展開阻止が見込める上に決定打となるケースも考えられます。



仮に、こちらの妨害が至らず『SPYRAL GEAR-ビッグ・レッド』の発動を許し、その後相手が形成した盤面が盤石ではなかったとしても付与された「戦闘耐性」が厄介で、相手の妨害の上からこれを超えるには少々骨が折れます。
そのため、維持される場合も厄介な『SPYRAL GEAR-ビッグ・レッド』をライフコストのみで気兼ねなく破壊出来る点は重要です。







  • 『SPYRAL GEAR-ラスト・リゾート』


こちらも『SPYRAL GEAR-ビッグ・レッド』同様『SPYRAL-ジーニアス』からサーチ可能な「SPYRAL GEAR」。
加えてモンスターであるため、『SPYRAL RESORT』にも対応し、サーチ手段に富んだ1枚。


手札・場から自分フィールドの「SPYRAL」モンスターに対して自身を装備可能で、そのモンスターに「戦闘・効果破壊耐性」「相手の効果対象選択不可」と最高クラスの耐性を付与します。


こちらも『SPYRAL GEAR-ビッグ・レッド』と同じく、正攻法では場合によって対処に手間取る事もあり得るのでそれに対しても容易に干渉できる点は評価できます。


『SPYRAL GEAR-ラスト・リゾート』の主な用途としては強力な除去性能を備える『SPYRAL-ボルテックス』との併用による、破壊耐性を活かした損失なしの2枚除去に加え、『SPYRAL-ボルテックス』が抱える破壊時のデメリット軽減です。



この破壊耐性に依存しきった除去手段を逆手に取り、うまくいけば『醒めない悪夢』で相手フィールドを焼け野原と化す事態も否定は出来ません。


とはいえ、このアクションこそ相手への依存度が強く、狙って行えるものでもありません。


また、『SPYRAL RESORT』下では魔法・罠ゾーンの「SPYRAL」カードも対象に取る事が出来ないため、そういった意味でもマストカウンターは『SPYRAL RESORT』と言えます。


この様に、対【SPYRAL】に於いて『醒めない悪夢』が有効打となるカードは多く、モンスター主体の初動であった場合でも、決定力には欠けつつも、発動機会は確実に訪れるでしょう。
【SPYRAL】だけでなく、その他のデッキも意識できる点を考慮すれば、十分な働きと言えます。


ただ懸念材料としてはメインのギミックとして搭載されている『SPYRAL-ダンディ』の採用枚数によっては、発動機会を待たずして容易に退けられてしまう可能性も孕んでおり、過信はできません。



前述したように『スキルドレイン』を搭載し、そういった面にも蓋をできれば『醒めない悪夢』の妨害としての信頼度向上も見込めます。







「Pテーマ」への抑止力から永続への回答まで


環境トップに位置する【SPYRAL】に対しての効力も見込める他、元来得意分野として一定の評価を得ている対「ペンデュラム」。


この所は「セフィラ」が上位に食い込む帯域に位置する「Pテーマ」の代表格で、その他の「メタルフォーゼ」や「魔術師」、突き詰めれば「インフェルニティ」等、「覇王」ギミックを組み込んだデッキ全般も「ペンデュラム」を扱うデッキとなっており、それらを含めれば『醒めない悪夢』の効果範囲は非常に広く、持ち前の制圧力を遺憾無く発揮できる環境と言えるのかもしれません。





また、先にも述べたように《LINK VRAINS PACK》によって様々なデッキが活気を取り戻し、環境に名乗りをあげる過程で、『醒めない悪夢』等の単体で機能し高いパワーを有する永続カードの採用率が上昇する事で、それらの回答ともなり得る『醒めない悪夢』はその価値をさらに高める事となります。







「フィールド魔法」や「ペンデュラムスケール」に依存したデッキタイプの天敵となる『醒めない悪夢』は、同時に「永続魔法・罠」カードによる封殺プランの天敵でもあります。
「手札誘発」の様に、基本単発で駆け引きの少ない妨害要素とは異なり、こうした「罠」に主観を置いた駆け引きに魅力を感じるプレイヤーは少なくないはずです。



このところSNS等ではネガティブな話題が目に付きますが、《LINK VRAINS PACK》によって齎されようとしているデッキタイプ多様化の波。
加え、リミットレギュレーションの改訂まで1月余り、「リンク」の浸透具合を鑑みてもコンテンツの展望は開けています。
今後の遊戯王からは良い意味で目が離せません。









2017年11月28日火曜日

『聖霊獣騎 キムンファルコス』の登場で「霊獣」の初動も柔軟に












聖霊獣騎せいれいじゅうき キムンファルコス

リンク・効果モンスター
リンク2/風属性/サイキック族/攻1800
【リンクマーカー:右下/左下】
「霊獣」モンスター×2
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのリンク先の「霊獣」モンスターの攻撃力・守備力は600アップする。
(2):自分の墓地から「霊獣」カード1枚を除外して発動できる。
手札から「霊獣」モンスター1体を召喚する。
(3):このカードを持ち主のEXデッキに戻し、除外されている自分の、
「霊獣使い」モンスター1体と「精霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。








《LINK VRAINS PACK》にて登場した「霊獣」の新規「リンク」。


一括りに「霊獣」といっても実際は「精霊獣」「霊獣使い」そして融合体の「聖霊獣騎」。
大まかに3種からなる「霊獣」カテゴリに於いて素材の指定が


「霊獣」モンスター×2


と比較的広く設計されている点は大きな意味を持ちます。
これまでの融合体「聖霊獣騎」はそれぞれ素材の組み合わせが


  • 「霊獣使い」+「精霊獣」
  • 「聖霊獣騎」+「霊獣使い」+「精霊獣」


といったように限定されており、どちらか一方のみでは円滑な展開を成し得ませんでした。


しかし、この度登場した『聖霊獣騎 キムンファルコス』は「聖霊獣騎」「精霊獣」「霊獣使い」如何なる組み合わせであっても2体揃える事で成立可能となっています。


とはいえ、「霊獣」に於けるアドバンテージ獲得のキーとなる『聖霊獣騎 カンナホーク』。



これに達するためには「精霊獣」+「霊獣使い」の素材を揃える過程を避けては通れません。


この点に関しては『聖霊獣騎 キムンファルコス』の登場で僅かに向上した部分も見られます。




例として。



『霊獣使いの長老』を含む「霊獣使い」に偏ったハンドを引き入れた際、『聖霊獣騎 キムンファルコス』により追加される召喚機会を用い、『霊獣使い レラ』『霊獣使い ウェン』『英霊獣使い-セフィラムピリカ』等の効果により、自身を含め2体の「サイキック族」モンスターを供給。



これが達成できれば、その後『聖霊獣騎 キムンファルコス』を素材に含め『サモン・ソーサレス』をリンク召喚。



リンク先に残った「サイキック族」を参照、デッキから「精霊獣」と「霊獣使い」双方を併せ持った「サイキック族」である『精霊獣使い ウィンダ』をリクルート。



といった手順で、「"精霊獣"使い」と「霊獣使い」を場に揃える事が可能となります。


また、本来「聖霊獣騎」の融合体はその素材をフィールドから除外する事で「霊獣」の基軸となる除外ゾーンへのリソース確保を成しますが、「リンク」である『聖霊獣騎 キムンファルコス』の素材は性質上、墓地へ送られる事となります。
ですが、墓地の「霊獣」を除外する事で「霊獣」モンスターの召喚権を増加する。
という形でそういった方面に関しても補完されており、単体で完結とまではいかずとも増加した召喚権からさらなる「聖霊獣騎」展開の過程で、こちらの条件も満たす見込みは十分にあります。
加えて「聖霊獣騎」が誇る定番の帰還能力も完備。


リンクマーカーを配しながらデッキのメインアクションを助長する。理想的な強化といえます。







リンク先の「霊獣」をパンプアップ


(1):このカードのリンク先の「霊獣」モンスターの攻撃力・守備力は600アップする。


「リンク」先の「霊獣」モンスター全般の攻守をパンプアップする能力。


単純に『精霊獣 アペライオ』と合わせた高打点ビートを狙う事から、「聖霊獣騎」を解体してばら撒いた「精霊獣」「霊獣使い」モンスターのステータス強化と、派手さは無いものの、細やかで堅実な能力。



一部を除き、打点面に不安を抱える「霊獣」に於いて、「600」パンプを基本展開の過程で気軽に供給出来る点はなかなかに勝手が良いのではないでしょうか。


初動の段階から活きてくる能力とは言えませんが、ライフを詰める機会には重宝されそうな能力です。


『霊獣使いの長老』から始動し、『聖霊獣騎 キムンファルコス』成立の後に『霊獣使い レラ』や『霊獣使い ウェン』『英霊獣使い-セフィラムピリカ』等で素材に使用した「霊獣」を帰還。


この時『精霊獣 アペライオ』『精霊獣 カンナホーク』『精霊獣 ラムペンタ』『精霊獣使い ウィンダ』等のそれなりに打点を有したものであれば、融合によるアドバンテージ獲得前にライフを詰めに行くといった展開時のダメージ量底上げも期待できます。



また、正規の手段では少々手間取りますが、『聖霊獣騎 ガイアペライオ』を併用できれば「ATK 3800」までの上昇が見込めます。



『霊獣の騎襲』によるサポートを含めた正規の手順を踏む形はもちろん、『精霊獣使い ウィンダ』『霊獣の相絆』辺りを用いる召喚条件を無視した方法。これらを利用し、高打点モンスターと割り切る運用も悪くありません。



戦闘面を堅実にサポートする。慎ましくも気の利いた能力といえます。







軸となり得る召喚権の増加


(2):自分の墓地から「霊獣」カード1枚を除外して発動できる。
手札から「霊獣」モンスター1体を召喚する。


『聖霊獣騎 キムンファルコス』が「霊獣」に最も影響を及ぼすのが当効果でしょう。


フィールドからの融合を戦術のメインに据える「霊獣」に於いて必須となるモンスターの複数展開。
これを成立させるために基軸とされてきた『霊獣使いの長老』同様に「霊獣」モンスターの召喚機会を設ける能力。


効果処理として召喚するので、召喚回数を増加させる『霊獣使いの長老』との併用が可能となっており、『霊獣使いの長老』始動から『聖霊獣騎 キムンファルコス』成立の場合もそこから更なる融合展開が望めるため、「霊獣」の基本となる『霊獣の連契』獲得に向け、『聖霊獣騎 カンナホーク』を絡めた連続融合アクションに組み込む事も出来ます。



「霊獣」モンスターの召喚機会増加に伴い、墓地が整っていれば1枚から融合まで到達可能な『霊獣使い レラ』による追加展開も重要度が増し、『聖霊獣騎 カンナホーク』からサーチ後即座に召喚するといったアクションも可能となり、展開パターンの幅も大きく広がります。


元より、繊細なリソース管理の上に成り立つ「霊獣」。
展開パターンの増加で、より一層ピーキーなデッキとして、その歩を進めているように感じます。







「聖霊獣騎」が誇る帰還能力


(3):このカードを持ち主のEXデッキに戻し、除外されている自分の、
「霊獣使い」モンスター1体と「精霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。


「聖霊獣騎」が備える自身をEXデッキに戻し、除外ゾーンの「霊獣使い」「精霊獣」を1体ずつ帰還させる能力。


『聖霊獣騎 カンナホーク』を筆頭に当能力を最大限活用し、相手の除去等の回避も意識しつつ、素材となるモンスターが除外ゾーンとフィールドを行き来するのが「霊獣」の基本戦術。
その過程で『霊獣の連契』の除去枚数の調整も成し、デッキの根幹を支えるアクションといえるのが当能力。


しかし、『聖霊獣騎 カンナホーク』並びに既存の「聖霊獣騎」に属する「融合モンスター」はフィールドに存在する素材となるモンスターを除外する事で特殊召喚するため、即座に自身を解体可能となりますが、「リンク」モンスターである『聖霊獣騎 キムンファルコス』の場合、その性質上素材は墓地へ送られることとなり、その時点では当解体能力の条件を満たす事が叶いません。
自身の効果(2)によって1枚は除外ゾーンに送る事ができますが、もう1枚の確保手段は別途案ずる必要があります。


融合体とは異なり、『聖霊獣騎 キムンファルコス』の帰還能力を活かすために、『精霊獣 カンナホーク』や『精霊獣 アペライオ』、『封印の黄金櫃』辺りで除外ゾーンを整えておくのも手でしょうか。





既存のギミックを着実に伸ばす。非常に堅実で現実的な強化が施された「霊獣」。
以前と変わらず『霊獣使いの長老』への依存度は高いものの、動きの幅は以前に比べ飛躍的に伸びたように思います。
《LINK VRAINS PACK》によって専用「リンク」を手にし、強化を受けた中でもトップクラスの絶妙な匙加減といえるのではないでしょうか。








2017年11月27日月曜日

【聖騎士】に限らず「戦士族」括りで有望な『聖騎士の追想 イゾルデ』














聖騎士せいきし追想ついそう イゾルデ

リンク・効果モンスター
リンク2/光属性/戦士族/攻1600
【リンクマーカー:左下/右下】
戦士族モンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから戦士族モンスター1体を手札に加える。
このターン、自分はこの効果で手札に加えたモンスター及びその同名モンスターを通常召喚・特殊召喚できず、
そのモンスター効果も発動できない。
(2):デッキから装備魔法カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる(同名カードは1枚まで)。
墓地へ送ったカードの数と同じレベルの戦士族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。









《LINK VRAINS PACK》にて登場。


長きに渡り燻り続けた「聖騎士」に加わる新たな「リンク」モンスター。


2013年5月18日に発売した《エクストラパック -ソード・オブ・ナイツ-》より来日した海外先行テーマで、「聖剣」と名のつく「装備魔法」と深い関係性を持ち、「光属性」「戦士族」を軸に、装備による強化を基本戦術としたテーマ。


そんな「聖騎士」が誇る新進気鋭、ニューフェイスに設けられた素材の指定は


戦士族モンスター2体


『聖騎士の三兄弟』や『聖騎士ガウェイン』、『聖騎士モルドレッド』へ装備魔法カードを装備させ、自身の能力を有効化し、デッキから「聖騎士」モンスターを1体リクルートする等、「聖騎士」の基本戦術によって容易に成り立つ他、【HERO】系統や【剛鬼】を筆頭に「戦士族」主体のデッキへも「装備魔法」さえ仕込む事が出来れば、自身の能力を最大限活用する形での活躍も見込めます。



「地属性」「戦士族」を採用し、「ランク3エクシーズ」『M.X-セイバー インヴォーカー』に繋ぐ事で即座に『聖騎士せいきし追想ついそう イゾルデ』が成立するといった手軽さも魅力の1つです。



リンクマーカーの供給から「戦士族」モンスターへの柔軟なアプローチと、これまで燻っていた「聖騎士」の先導に加え、「戦士族」を主体とするデッキ全般の手軽な「リンク」候補として、そのポテンシャルは非常に魅力的なものとなっています。







リンク召喚時に「戦士族」をサーチ


(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから戦士族モンスター1体を手札に加える。
このターン、自分はこの効果で手札に加えたモンスター及びその同名モンスターを通常召喚・特殊召喚できず、
そのモンスター効果も発動できない。


自身のリンク召喚成功時にデッキから任意の「戦士族」モンスターへのアクセスが可能なあらゆるデッキに於いて有用となるであろう能力。


「レベル」「属性」に指定は無く、その範囲は相当なもの。
しかしながらそのターン、サーチした同名モンスターは「通常召喚・特殊召喚・モンスター効果の発動」これら全てを不可と厳しい制約が課せられることとなります。


そのため、『E・HERO オネスティ・ネオス』等の相手ターンに手札から運用可能なモンスターを選定する。もしくは次ターンのアクションに備えた後続の確保に専念し、『カオス・ソルジャー -開闢の使者-』の様な単純に強力なモンスターを獲得する手も十分に視野には入ります。



また、サーチした名称のカードに課せられる制約は「モンスター効果」の発動までに留まるため、「Pモンスター」のスケールとしての運用には何ら干渉しない点についても、デッキ次第では重宝されるでしょう。


「イグナイト」に関しては全般がサーチ範囲に含まれ、「魔装戦士」も「上(7)・下(2)」のスケールからサーチを選り分ける事が可能。




「魔装戦士」の両モンスターは、スケール時の能力が相手ターンにも利用可能な戦闘に関するものを備えているため、そういった部分でも相性は良好といえますね。







「聖騎士」特有の「装備魔法」を用いたリクルート能力


(2):デッキから装備魔法カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる(同名カードは1枚まで)。
墓地へ送ったカードの数と同じレベルの戦士族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。


デッキから任意の枚数「装備魔法」を墓地へ送り、その枚数と同レベルの「戦士族」モンスターをリクルートする能力。


下級モンスターをリクルートするにしても「装備魔法」の複数採用が条件と少々重いためか、効果(1)とは異なりリクルートしたモンスターに課せられる制限等は一切ありません。


これは「聖騎士」の名の通り、その十八番である「聖剣」「装備魔法」の複数枚装備達成までの道筋を示すに十分な能力。



複数枚の「聖剣」をコストに「聖騎士」モンスターをリクルートする事で『聖騎士王アルトリウス』『神聖騎士王アルトリウス』召喚への布石となり、加えてこれらが備える、墓地から装備カードを装備可能とする能力も最大限発揮できます。



墓地へ置いておく「聖剣」も任意で選択可能なため、状況に応じて柔軟に対応できます。
この事から、『聖剣 EX-カリバーン』や『天命の聖剣』による耐性付与成立にも大きく貢献するでしょう。


「聖騎士」以外で扱う場合も、「戦士族」のリクルートとしては他の追従を許さない程の性能を有しますが、課題として残るのがコストとなる「装備魔法」カードの採択。




リクルートの候補が「レベル1」であれば、『月鏡の盾』等のステータス強化系統や、『D・D・R』『やりすぎた埋葬』等の比較的汎用性の高いもので補えますが、「レベル2」以上となればそのレベル分の種類を最低限採用する事になり、まして「レベル4」ともなればデッキのスロットを圧迫する他、引き入れてしまう事も考慮した場合それらも複数枚の採用を案じなければなりません。
これは「装備魔法」との根本的なシナジーを無視したデッキでの実現は困難で、無理に組み込めば「戦士族」の安定的供給手段として取り込もうとしたギミックが真逆の効果を及ぼす事態ともなり得ます。
惹きつけられる程魅力的な能力ですが時には切り捨てる事も視野に検討しなければなりません。


また、当能力のコスト候補として注目されているのが「竹光」ギミック。



墓地へ送られてた場合に「竹光」カードのサーチを行う『妖刀竹光』をコストとし、『黄金色の竹光』を用いたドローブーストや、『燃え竹光』による相手のメインフェイズ1のスキップといったトリッキーな戦術も狙えます。
『妖刀竹光』に加え、『折れ竹光』も採用しておく事で「レベル2」まではリクルートの範囲となります。
これにより「チューナー」の供給等、低レベルの「戦士族」へのアクセスが円滑に行えます。
『天帝従騎イデア』が装備魔法1枚でリクルート可能なため、【帝王】タイプへ組み込む事も検討できるでしょうか。





「聖騎士」の純粋な強化から、「戦士族」全体への幅広いアプローチ。
素材の緩さも相まって、今後が非常に楽しみなカードとなっています。