2017年9月7日木曜日

対【SPYRAL】「手札誘発」を軸に講じる対策案








待ちに待った《エクストラパック 2017》もいつの間にやら発売目前。

注目はやはり【SPYRAL】!
発売直後は皆新たなテーマに手を出しがちですから、「大会・フリー対戦」どれを取っても対戦機会は避けられないでしょう。

となれば、メタゲームの動きを見てから対策を練っていては多くのプレイヤーに遅れを取る格好に。
それを避けるためにも、事前にしっかり対策はしておきたいです。

では、実際のところ対【SPYRAL】に於いて有効なメタは何なのでしょうか?

風の噂では「誘発はそこそこきつい」と聞きますが、各手札誘発の「効力」「撃ち所」については未だ不透明な部分が多いです。

今回は、来たる【SPYRAL】来日に備え、「どういった対策が有効になってくるのか」を考えていきます。






各デッキが基本搭載!?
『灰流うらら』

昨今の遊戯王に於いて、『灰流うらら』の採用率は驚異的な数値を叩き出します。
確かに「手札誘発」の採用率は、環境次第でトップレベルにまで跳ね上がる。
こういった事態は過去にも幾度かありました。
【甲虫装機】対策の『エフェクト・ヴェーラー』

【征竜】を意識した『増殖するG』

など…例を挙げればきりがありません。

しかし、これらに比べ『灰流うらら』はその性能の高さから、搭載することによって生じるデメリットが薄いと感じます。


【甲虫装機】の時代には【HERO】という『エフェクト・ヴェーラー』の撃ち所を逸らしやすいデッキが存在していましたし、【征竜】の時代にも【魔導】という『増殖するG』の致命傷を避ける事が可能なデッキと共存していました。
いつの時代も「手札誘発」を積む事に多少なりとも"リスク"の様な物を抱えていたのです。

しかし、『灰流うらら』に関しては、撃てない相手が極端に少ないです。
というよりも、近年のデッキ毎のサーチ量を考えれば、撃てないデッキなど存在しないとさえ思えてきます。

そんな「手札誘発」を積む事にリスクを負わない現状を受け、大半のデッキが『灰流うらら』を搭載している現在各デッキの妨害事情。

そのうえで、【SPYRAL】に対してはどういった効果があるのでしょうか。

既に皆さんご存知の通り【SPYRAL】もデッキからの「サーチ・特殊召喚」を軸とした展開を目指してきます。
故に『灰流うらら』の撃ち所は間違いなく存在し、それによって展開を抑止できる可能性も十分にあります。
しかし、実際どこに当てるのが一番有効なのか、裏目の少ないケースはどれか。
採用が予想されるカードを挙げながら、検討していきましょう。


※その前に!
今回登場する【SPYRAL】カード達もご紹介。

SPYRALスパイラル-ジーニアス

効果モンスター
星1/地属性/機械族/攻 500/守 400
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「SPYRAL GEAR」カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが墓地に存在し、
自分フィールドに「SPYRAL-ダンディ」が存在する場合に手札を1枚捨てて発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

SPYRAL GEAR - Drone

効果モンスター
星1/風属性/機械族/攻 100/守 100
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
相手のデッキの上からカードを3枚確認し、好きな順番でデッキの上に戻す。
(2):このカードをリリースし、自分フィールドの「SPYRAL」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力は、相手フィールドのカードの数×500アップする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(3):自分の墓地からこのカードと「SPYRAL」カード1枚を除外し、
自分の墓地の「SPYRAL-ダンディ」1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。

SPYRALスパイラル-ダンディ

効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1900/守1200
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札に存在する場合、
カードの種類(モンスター・魔法・罠)を宣言して発動できる。
相手のデッキの一番上のカードをお互いに確認し、宣言した種類のカードだった場合、
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが「SPYRAL」カードの効果で特殊召喚に成功した場合、
相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。






SPYRALスパイラル-ボルテックス

特殊召喚・効果モンスター
星8/光属性/悪魔族/攻2800/守1200
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の「SPYRAL」カード3枚を除外した場合のみ特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、自分フィールドの「SPYRAL」カード1枚と、相手フィールドのカードを2枚まで対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。
自分フィールドのカードを全て破壊し、自分の手札・デッキ・墓地から「SPYRAL-ダンディ」1体を選んで特殊召喚する。

SPYRAL MISSION - Assault

永続魔法
このカードは発動後3回目の自分エンドフェイズに破壊される。
(1):1ターンに1度、自分の「SPYRAL」モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、
または自分の「SPYRAL」モンスターの効果でフィールドのカードを破壊した場合に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
手札から「SPYRAL」モンスター1体を特殊召喚する。






『ワン・フォー・ワン』

『SPYRAL-ジーニアス』『SPYRAL GEAR - Drone』と必要に応じた物を選ばれます。
アドバンテージ的にも基本は得なので積極的に止めておきたいですが、手札消費は多いものの、召喚権を残されるため後続にら注意しておかなければなりません。


『おろかな副葬』

【SPYRAL】の展開パターンの幅を広げている貴重なカード。
特殊召喚させなければ「リンク」不成立でターンが回るかもしれません。
「名称1ターンに1度」なので、祈りながら止める事もできますが、
そのうえから『SPYRAL GEAR - Drone』+『SPYRAL-ダンディ』も有り得るので、「リンク」まで待つのが得策に思えます。


『機械複製術』

『SPYRAL GEAR - Drone』ならスルーして『SPYRAL-ザ・ダブルヘリックス』を優先。

『SPYRAL-ジーニアス』なら即座に止めましょう。取り返しがつかなくなる可能性大です。


『SPYRAL-ザ・ダブルヘリックス』

SPYRALスパイラル-ザ・ダブルヘリックス

リンク・効果モンスター
リンク2/地属性/戦士族/攻1900
「SPYRAL」モンスター2体
【リンクマーカー:左/下】
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのカード名は、フィールド・墓地に存在する限り「SPYRAL-ダンディ」として扱う。
(2):カードの種類(モンスター・魔法・罠)を宣言して発動できる。
相手のデッキの一番上のカードをお互いに確認し、宣言した種類のカードだった場合、
自分のデッキ・墓地から「SPYRAL」モンスター1体を選び、
手札に加えるかこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。

『SPYRAL GEAR - Drone』+『SPYRAL-ダンディ』や『おろかな副葬』絡みで、容易に展開されるであろう【SPYRAL】の超展開を支える核。
これについては、恐らくマスト扱いで良いでしょう。
(KONAMIさんが謎裁定を出さなければ)

リクルート効果を通して『SPYRAL Master Plan』が出てきてしまえば、さらなるアドバンテージの獲得が約束されてしまいますし、『SPYRAL-ジーニアス』を素材にしていた場合、追加の『SPYRAL-ジーニアス』を選択され、ループ展開に持ち込まれるので非常にまずいです。
「名称1ターンに1度」。止めましょう。


『SPYRAL Master Plan』

SPYRAL Master Plan

効果モンスター
星7/闇属性/魔法使い族/攻1200/守2800
「SPYRAL Master Plan」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「SPYRAL MISSION」カード1枚を手札に加える。
(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「SPYRAL Resort」1枚と、「SPYRAL Master Plan」以外の「SPYRAL」モンスター1体を手札に加える。

上級モンスターであるこのカードを場に送り出すのは基本的に『SPYRAL-ザ・ダブルヘリックス』の役目となりますが、前項の通りスルーする事は少ないと思うので、
『おろかな副葬』からの『SPYRAL MISSION - Assault』等で直に出てきて「リンク」召喚の素材とされた場合にどうすればよいのかについて。

『SPYRAL Master Plan』+『SPYRAL-ジーニアス』をリンク素材とされた場合は、どう足掻いても【SPYRAL】側の手数が上回ります。
ですので、そうなった場合は『SPYRAL Master Plan』の2枚サーチを打ち消すか否か。
『SPYRAL Resort』からの『SPYRAL-ボルテックス』を受けるか避けるかを選択しなければなりません。

仮にもう片方の素材が『SPYRAL-ジーニアス』以外であった場合。
その場合は『SPYRAL Master Plan』の2枚サーチを打ち消し、最終盤面の弱体化に努めます。

墓地に送られた際のサーチ効果は「名称毎で1ターンに1度」とされているため、止める事で1ターンは安泰です。
しかし、そこを止めたとしても『SPYRAL-ザ・ダブルヘリックス』のリクルート効果を使用され、『SPYRAL-ジーニアス』からの展開は避けられません。
ましてや複数の『SPYRAL-ジーニアス』となれば好き放題されてしまうことになるでしょう。

『SPYRAL Master Plan』を通す事で向かわれるであろう『SPYRAL Resort』からの『SPYRAL-ボルテックス』展開と比較し、どちらなら対処できるのか。
自分の手札と相談しながら進めていくことになります。


『SPYRAL Resort』

SPYRAL Resort

フィールド魔法
このカードのコントローラーは、
自分エンドフェイズ毎に自分の墓地のモンスター1体をデッキに戻す。
またはデッキに戻さずにこのカードを破壊する。
(1):自分フィールドの他の「SPYRAL」カードは相手の効果の対象にならない。
(2):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「SPYRAL」モンスター1体を手札に加える。

「フィールド魔法」による『SPYRAL』サーチ。にも関わらず名称指定のターン制限が設けられていません。
複数被せられたら意味をなさないので、これまた『SPYRAL-ザ・ダブルヘリックス』まで堪えましょう。


こうして改めて挙げていくと基本は『SPYRAL-ザ・ダブルヘリックス』(『SPYRAL Master Plan』)。といった基準で良いのでしょう。
『SPYRAL-ジーニアス』も強力ですがこちらはどうにもならない場合が多い印象を受けます。

何処に当てても、裏目が一定数存在し、そもそも『灰流うらら』1枚で止める事は現実問題難しいように思えます。
他の妨害を併用。または展開を返していくプランを取っていかなければなりません。






ループが天敵!?
『増殖するG』


特殊召喚を多用する【SPYRAL】への『増殖するG』はもちろん有効…ではありますが絶対的とは言い切れないのが現状でしょうか。

序盤に『灰流うらら』等を引き込めず、『増殖するG』で引かされすぎるとデッキレスから自身の敗北が待っています。

『増殖するG』単体での機能は期待せず、後引きで間に合う他の「手札誘発」と合わせる事で真価を発揮するのではないでしょうか。

メインの段階でも『ドロール&ロックバード』を1枚忍ばせておくだけで、頃合いを見計らって『増殖するG』のドローをストップさせる事ができ、単純に引き込んだ際も多量のサーチで成り立つ【SPYRAL】を1ターンきっちり抑えてくれます。

『D.D.クロウ』の場合でも、『SPYRAL-ジーニアス』や『ゴーストリック・デュラハン』のループに触れる事が可能で、安全性は落ちますが、こちらも悪くありません。

これらをメイン段階から複数枚投入する事で【SPYRAL】への勝率は、ある程度確保出来るようにはなるかもしれません。しかし、その他のデッキへの効力が薄いものがあり、メインから寄せすぎるのはあまり得策とは言い難いです。

あくまで「メインは丸く」が理想的です。


「フィールド魔法」には滅法強い!
『幽鬼うさぎ』

『幽鬼うさぎ』は基本的に「フィールド魔法」『SPYRAL Resort』に当てる事が主になってきますが、一応蘇生効果を使用した『SPYRAL-ジーニアス』のサーチ効果に撃ち込む事で「エクシーズ」前に除外へと追いやる事もできます。
ですが、撃ち所は狭小で、安定的に運用するには難易度が高すぎる選択となります。
【恐竜】【ユニオンABC】等、他のデッキを意識しつつ【SPYRAL】にも「一応撃てる」程度の認識に止めるべきカードですね。


『SPYRAL-ザ・ダブルヘリックス』を止められる
『エフェクト・ヴェーラー』ですが…

『灰流うらら』の項で『SPYRAL-ザ・ダブルヘリックス』は「止めるべきである」と感じた事から、『SPYRAL-ザ・ダブルヘリックス』に対しては同様の効果が得られる『エフェクト・ヴェーラー』にも期待はしていたのですが、結論から言うとあまり良い選択では無いと考えているのが現状です。

と言うのも、主流となっていく【SPYRAL】の構築がもし、「フィールド魔法」へのアクセスに特化させた物だった場合の裏目が酷く、何処までもついて回るのです。

その原因は『SPYRAL Resort』。
発動下で適応される『SPYRAL』モンスターへの「対象選択不可」と言う文字。

単純に『テラ・フォーミング』を加味した5枚という枚数でもそれなりに厄介で、加えて『盆回し』等の水増しまでされては『エフェクト・ヴェーラー』の発動機会が訪れるかどうかすら危ぶまれる事態となります。

ただでさえ、パワーの低いカードを積みその上で腐らせていては元も子もありません。
速攻ボツとしました。


メインの段階では怪しいものの、サイド後ならば検討出来るカード達


さて、ここまでで挙げたものは、自身の使用デッキにもよりますが現行レギュレーションを以って、比較的メイン採用を検討しても差し支えない「手札誘発」となります。

では、もっと尖ったもの。
メイン段階では寄せすぎと思われる採択でも、サイド後ならば問題なく搭載して行ける。
また【SPYRAL】の流行度合いによっては「メインから思い切る」事も視野に入る。
そんなレベルの徹底したメタについても触れておきましょう。




『浮幽さくら』

「エクストラデッキ」に主要リソースを備え、依存度の高いデッキに最も有効とされるメタカード。
対【SPYRAL】に於いてもそれは有効で、『SPYRAL-ザ・ダブルヘリックス』を飛ばしてしまえば窮屈な動きを強いる事が可能。
ケアをするにも専用のカード等による工夫が必要となってくるため、地力で押し勝つパワーを備えたデッキであれば、そのままあっさり勝利できるケースも出てくることでしょう。

難点は、先引き先撃ちがほぼ絶対条件となり、相手の展開が通った後に引き込んだところでほぼ「何も起きない」という点。
加えて「エクストラデッキ」に余裕を持ったデッキである必要がある。という点でしょうか。

前者は『拮抗勝負』等の盤面解決策との併用で改善を試みる他なく、後者はデッキ選択の段階からある程度決まってきます。

また、『浮幽さくら』自体は有効とされるデッキが現環境にはいくつか存在するため、本当に「エクストラデッキ」に余裕のあるデッキを選択する事ができれば、サイド後、乃至はメイン採用も検討できるものとなってはきます。

『源竜星-ボウテンコウ』
『ABC-ドラゴン・バスター』
『ファイアウォール・ドラゴン』等の各種汎用「リンク」。
そして『SPYRAL-ザ・ダブルヘリックス』。
メイン採用を検討するとなれば【召喚獣】や【WW】も意識しておきたいですが、ここまでやれるデッキは『百万喰らいのグラットン』の運用を難なくこなせる程度の「エクストラ」依存度に留められたデッキ群に限られてきます。

しかし一定数存在するそれらのデッキならば、余す事なく『浮幽さくら』を最大限活用が可能となります。

これだけ有効となれば【SPYRAL】側もサイド後は何かしら対策を講じる事が必要となってくるでしょう。

数あるメタの中でも『浮幽さくら』は決まれば勝ちを「グッ」と引き寄せる可能性を秘めた稀有なカード。
前述した様に『拮抗勝負』等の盤面解決カードとの併用で弱点部分を補う。
より強力なプランと化します。
他のデッキとの併用メタとしても双方採用が検討出来得るカードであるため、無理なく対策する事ができる点はとても良いです。

まだまだ発展途上の【SPYRAL】。
プレイや構築が確立し、新たな常識が表出すれば、メタの事情もその度に変化してゆきますが、今回は私なりに、各「手札誘発」についての見解を綴らせて頂きました。
私自身、まだまだ未熟で思慮の浅い、平凡な1プレイヤーでございますので、誤った見解を露呈してしまっていたらお恥ずかしい限りでございます。
ですが、こうして持論を述べる事で新たな発見等、得られるものも多いと考え、投稿しております。

皆様から寄せて頂ける意見全てに意義のあるものと私自身は捉えておりますので、どうか気兼ねなく「twitter」「ブログへのコメント」「連絡フォーム」どこからでも結構ですので、投げ掛けて頂ければ大変嬉しく思います。

最後に。
当記事はあくまで私自身の見解となりますのでその点は今一度、ご了承いただきたく存じます。

お読み頂きありがとうございました。


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