2017年9月5日火曜日

『サウザンド・アイズ・サクリファイス』も『リンクリボー』のおかげで小回りが効くようになりました。








サウザンド・アイズ・サクリファイス

融合・効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
「サクリファイス」+「千眼の邪教神」
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
このカード以外のフィールドのモンスターは表示形式を変更できず、攻撃できない。
(2):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する(1体のみ装備可能)。
(3):このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備したモンスターのそれぞれの数値になり、
このカードが戦闘で破壊される場合、代わりに装備したそのモンスターを破壊する。






2000年12月14日発売。
《Thousand Eyes Bible -千眼の魔術書-》にて初登場。
(第2期・第4弾)

アニメ「遊戯王デュエルモンスターズ」王国編にて、「マジック&ウィザーズ」生みの親「ペガサス・J・クロフォード」氏が使用した切り札の1枚。
主人公「武藤遊戯」を倒すべく、詰めの一手として融合召喚するも、『クリボー』『増殖』コンボに阻まれてしまうという演出を受け、敗北に絡む悲しい登場劇。


OCGに於いて「融合モンスター」としては遊戯王界で初めて「制限」「禁止」という重い規制を受けたとされる偉大なカードで、『メタルフォーゼ・アルカエスト』(2016年7月9日発売)が登場するまでは"唯一"の「レベル1融合モンスター」でもありました。
(後に『LL-インディペンデント・ナイチンゲール』も登場)



登場後『魔導サイエンティスト』『突然変異』と正規以外の方法で運用され、皆さんも一度は聞いたことがあるであろうデッキ。
【変異カオス】の主軸として活躍。

大会環境で猛威を奮い「制限」。
後に『簡易融合』の登場を受けてか「禁止」となり、長きに渡り牢獄生活を送ることとなる。

『サウザンド・アイズ・サクリファイス』の相方として知られるスピリットモンスター『月読命』も同様に長い「禁止」期間を経て、『サウザンド・アイズ・サクリファイス』に先んじて解禁され、現在は無制限となっています。

少し遅れながら『サウザンド・アイズ・サクリファイス』も無事刑期を終え「制限」「準制限」とクッションを挟みつつ無制限へと緩和。
当時懸念された『簡易融合』も無規制状態である事から、存分に活用できる環境は整っているといっても良いでしょう。

ただし、『月読命』『サウザンド・アイズ・サクリファイス』のコンボは現在の環境に於いてはパワー不足感が否めませんから、無規制の現在も、こちらのコンボを目にする事は少ないですね。

しかし、
ここへ来て『サウザンド・アイズ・サクリファイス』に関しては評価を見直す時期に来ていると感じます。

そう感じさせる要因。
それは『リンクリボー』の登場でした。

「エクストラモンスターゾーン」導入の弊害


念願の『簡易融合』と『サウザンド・アイズ・サクリファイス』共存が実現されている現在のレギュレーション。
しかし「リンクシステム」、ひいては「エクストラモンスターゾーン」の導入がこのコンボに"待った"をかける形となりました。

そもそも『簡易融合』を用いて相手モンスターを除去する事自体に価値が薄れつつあった昨今の遊戯王に於いて、重要なのは「先攻」自ターンでの用途。

生憎『簡易融合』を用いて『サウザンド・アイズ・サクリファイス』を特殊召喚したところで、ターン終了と共に消滅するだけに留まり、
先攻で活用するには「リリース」要員としての運用、または「シンクロ」「エクシーズ」「リンク」と、なんらかの工夫を講じる必要がありました。

しかし、「エクストラモンスターゾーン」導入で、展開自慢であったデッキの多くは弱体化しており、精々「1体」強力なモンスターに行き着けるかどうかというシビアな事情を抱えていました。

そんな状態で貴重な「エクストラデッキ」を『サウザンド・アイズ・サクリファイス』に割くほどの余力は無く、未だ乏しかった「リンクモンスター」の採用に四苦八苦していた各デッキ「エクストラ」15のロースター枠に食い込むに至ることは困難であり、採用されるケースは稀でした。

しかし、最近では「リンクモンスター」のプールも充実して来ており、遂には『サウザンド・アイズ・サクリファイス』1体から成り、「エクストラモンスターゾーン」を広げつつ、能力も優秀な『リンクリボー』が登場しました。

この事から、『サウザンド・アイズ・サクリファイス』は評価の見直しを検討できる領域にまで来ていると感じています。






「エクストラモンスターゾーン」によって弱体化するも、「リンク」の強化と共に…



「リンク」召喚を前提とした「エクストラモンスターゾーン」システムの導入にも関わらず、当然初期段階では「リンク」モンスターの選択肢は狭く、「エクストラデッキ」からモンスターを大量展開する事は困難を極めました。

この事から一時は『簡易融合』を用いた展開にも弱体化が見られたものの、「リンク」モンスターの充実から、手軽なモンスターの特殊召喚手段にも徐々に光が当たりつつあります。

大量展開デッキが否定されたかに思えたルール変更直後とは打って変わり、最近では『ファイアウォール・ドラゴン』『トライゲート・ウィザード』等、制圧力や応用の利く物も多数登場し、
一部指定があるものの、レベルに関係なく、ばら撒いた小型モンスターを集約する事に長けたシステムである「リンク」は様々なデッキに於いて選択肢の幅を広げています。


反面、あらゆるデッキが扱うことを許される事の懸念は、終着点の類似でしょうか。

現在、「リンク」となれば『ファイアウォール・ドラゴン』や『トライゲート・ウィザード』となるケースが多く、『ファイアウォール・ドラゴン』に至っては、"無限ループ"も多数考案されており、僅かなズレからとてつもないデッキが生み出される。
そんな可能性を秘めた、いわば爆弾のようなもの。

「エクシーズ」最盛期に、終着点が『星守の騎士 プトレマイオス』一色となってしまった時期を思い返し、カードデザインには「細心の注意を払ってもらいたい」と言うのが私の意見です。

とはいえ、現在の遊戯王のパワーバランスは改善に向かっているように感じます。
この方針で続けていけば楽しいゲームとしてまだまだ現役でいられるコンテンツだと思っています。
ユーザー離れが嘆かれる今だからこそ、遊戯王はまた一歩先へ歩み出せるのではないでしょうか。

1プレイヤーの私としてはそう祈るばかりです。


「いいね」「リツイート」して頂けたら有難いです。





0 件のコメント:

コメントを投稿